第31話 冒険者と依頼と砦
10話に冒険者パーティ、竜の爪出会いを追加
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防具の胸当てと手甲を、オダ家から借りた。
装備して出かける、今日も依頼を探しに、冒険者ギルドに。
後ろから声を掛けられた。
「よう、坊ちゃん、譲ちゃんたち、今日は同級生と依頼かい」
襲撃の時に助けてくれた、竜の牙の面々に会えた。
タカトラさん、ウコンさん、あと女性のセナさんだ。
「何か良い依頼が、無いかと思いまして、当日で終る依頼じゃないと」
「そうだな、人手が要る依頼を受けてるんだが、一緒に来るかい」
「どんな依頼なんです?」
「森の近くに砦があってな、そこの調査なんだが、馬鹿でかい砦でなもう1パーティ探してたんだ」
砦の調査か。人数が要るだろうし。丁度良いかも。
「皆に確認してみます、皆どう思う」
「ええんや無いの、大きな戦闘なさそうやし」
「ボクも賛成かな」
「私も賛成」
「森近くなら、私の得意な所、問題ないわ」
コノエ、アユム、ユカリ、シルヴィ、皆の同意が得られた。
「受けます、お願いします」
直ぐにカウンターに、タカトラさんが手続きに行った。
「臨時の9人パーティで、二チームに分かれよう、学生組みと、俺達だな」
皆で挨拶した後、大型の2頭立ての馬車一台で移動に、ギルドで借りる。
御者はウコンさんだ、皆で乗り込む。
帝都の通用門から出る、馬車は2時間ほどの所にある、砦に向かった。
「そっちは誰がリーダーになる」
「ユカリがリーダーで、ええんとちゃう」
コノエさんに、学生チームが同意する
「了解、私で良いのね」
「私達の方は、タカトラがリーダーよ」
「おう、頼むぜ、それで調査内容なんだが、廃砦の改装前の事前調査なんだ、森に魔物が増えたんで、砦を拠点にして、駆除するらしい、危険はねぇと思うんだが」
そんなに問題は無いようだ。
「ただ賊や魔物が、居るかも知れねぇ、その為の調査と討伐だな、あと2、3人で行動しろ、何が有るか分かんねぇからな」
魔物か盗賊が、居る可能性はあるらしい。
「なにかあったら、この発音筒を空に打ち上げろ、紐を引くと音が出る」
皆に配られた、便利なものがあるんだな。
馬車の中では、冒険者の生活を、タカトラ、セナから聞いていた、馬車が止まった。
「着いたようだ、準備してくれ」
外していた武器や防具を、装備する。
「俺らは一階を、譲ちゃんたちは二階を頼むわ」
貰った見取り図を、見ながら分かれた。
砦は意外と大きいが、二階はそれほど広くなかった。
コノエ、シルヴィ組みと ユカリ、アユム、忍組に分かれた。
二階には、何もなく順調に終わり、一階に戻ろうとした時に音がした。
『パーン』何かあったようだ、一階に全員で急いで駆けつける。
一階は二階の3倍はある、音のした方向に向かう。
剣戟の音が聞える、皆で走り角を曲がった所で、魔物の群れと戦う竜の牙が居た。
「譲ちゃんたち助成を頼む」
ゴブリンの群れだ、20匹は居るようだ。
流石は冒険者、竜の牙は一人で3匹を相手取っている。
直ぐに援軍に行く、一人頭2匹だが、こちらは俺が戦力としては弱い。
だが泣き言は言えない、勝たないとダメなのだ、
回避能力は上がっている、誰よりも見えている、逃げながらが俺のスタイルだ。
俺も2匹を相手取る、強くはないが油断できない。
皆がそれぞれ斬り結ぶ、あちこちで激しい金属音が聞える。
俺は未熟なので、目の前のナイフと剣を持った、2匹に集中だ。
森の要領で逃げながら、隙をみて腕を狙う、斬り付けれた、
油断した服の袖が斬られる、胸当てにゴブリンの剣が当たる。ヤバイ防具にあたり刃が止まる、あぶねぇ、いくら錆びてるとはいえ刃物だ、油断できない。
なんとかナイフ持ちの、腕に深手を負わせた、ナイフを落とした瞬間に、首に斬り付けた、リーチの差で勝てた、ゴブリンが斃れた。
2匹目のゴブリンが、横から再度斬ってくる。
剣持のゴブリンの剣を、斜めにした刀で受け流す、よろけた所で、脇を狙う。
刃がゴブリンにヒット、キズを負わせた。
まだ剣を持ってるので今度は腕を、脇を庇う剣持、刀を剣に当てる弾き飛ばした。
武器がなくなった所で、首を狙い斬る、斬られた剣持ちは斃れた。
周りのゴブリンも、数匹に減っていた、最後に再度首を斬り、斃した。
魔物である以上油断できない、トドメは必要なのだ。
1匹に対して2、3人で戦う状況で決着は早かった。
「ふう、やっと終ったな、これだけの数が居たとはシャレになんねぇな」
「確かに、学生チームは怪我はないかな?」
タカトラさんに同意しながら、セナさんが安否確認をしていた。
ユカリが皆を見回し、状況を確認していた、そばに来た。
「忍、服と鎧、斬られてるけど大丈夫?」
「ああ、危なかったが鎧で止まって、助かった」
「見えてても、反応速度はまだまだね」
耳の痛い話だが同意せざるおえない。
皆の確認が終り大きなケガも無かったので一安心だった。
「それにしても、何でこんな所に大量のゴブリンなんだ、ふつうこんなに居ねぇぞ」
「部屋から出てきたから、確認してみましょう、エサの無い所に確かに不自然よ」
タカトラ、セナ両名も今回の魔物襲撃は、不自然のようだ。
部屋の中からウコンさんが出てきた。
「全員、部屋に来てくれ、変なものがある」
皆で部屋に入った、部屋の中は異様だった、魔法陣と水晶が割れた状態であった。
「なんだこりゃ、儀式の後みてぇだな、こいつは、ギルドの調査が必要か」
「そうね、私たちの手に負える、状況じゃないわね」
タカトラさんの問いに、セナさんも同意して、結局引き払うことに。
何か不穏な流れが、ある様に思えた。
部屋はそのままに、皆で帝都に戻る事になった。
皆が居なくなった砦の庭では、影から見守る人影があった。
「成功…」
つぶやいた人物も、立ち去っていった。
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仕事が忙しいので、書き上げ次第話上げます。PC投稿なので自由が中々
日曜に上げます。
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