第4話 異世界と馬車

馬車に乗せてもらい馬車は走り出す。男女別れて対面に座る。


シキモリさんは御者席へ。三人と自己紹介した後改めて観る。


皆髪の色が多少色は違うようだが黒に近い。顔も日本人に近いが美男美女。

いわるゆる俳優やアイドルに近い。唯一目の色だけははっきりと違う。


皆に見入っているとユカリさんが話す。

「どうしたのかな、見とれちゃって、なにか気になる?」


「いやそういうわけじゃなくて、皆かっこいいなと思って」

思ったことを素直に、ユカリさんに話した。


「服装のこと、帝都じゃ珍しくないよ、田舎じゃ着物姿が多いし、街に出たこと無いでしょう」


「安全なとこから、出たこと無いんで、じいちゃんが倒してたし」苦しい言い訳だ。


「魔物と動物が多い地域になると、物騒な重装甲の冒険者姿の人も多いわね」


少し疑念があるようだ、神様の事話しても、信じてくれるか分からんしな。


馬車での旅は斬新ではあった。静かになると景色か、対面をついつい見てしまう。

ミズキさんなどは特に胸部装甲に、目が行ってしまう。


ユカリさんが視線に気がつき笑顔で話し出す、ただ目が笑ってない。背後にトラが見える気がする。

「君はミズキさんに興味あるの、それとも女性の胸にかな、見るものが、無いから、仕方が無いのはあるけど、胸や顔を熱心に見るのは感心しません」


やぶへびだ、少しお怒りのご様子、まあサイズがね…ミズキさんがフォローする


「街まで時間がかかるし、やることが無いのは分かります。女性をじろじろ見てはいけないですよ。見られても減るもんじゃないんだけど。胸や顔ばかり見られるのは、少し恥ずかしいわね、女性は視線に敏感、気をつけないと嫌われるわよ」


違った追撃のようだ、視線は気をつけないと。私は話題を変えることにした。

「ここは野生動物が出るんですね、どんな動物がいるんですか」



ミズキさんから説明がされた。

「狼系か、猪系が多いわ、縄張りから出ない、生活者の糧になるから、駆除のしない、この辺では野放し、人を襲った場合のみ、討伐依頼が出るわ、証言がないと、駆除を始められないから、人通りの少ない所は、分からないのよ」


怖くなった、一つ間違えたら獣に襲われていたという事実。


「その顔だと知らないみたいね、ゴブリンやコボルトの出現目撃情報があるわよ。獣系は縄張りに入らなければ、人間を好んでは襲わないけど、ゴブリンやコボルトは縄張り以外でも襲うわよ、保護しといて正解だったわ」


ミズキさんに、言われた話に背筋が凍る思いだった。


ここは異世界だという事実であった。頷くことしか出来ない。


心配性の姉ようにユカリさんが聞いてくる。

「忍君どこの人、夜の危険性を知らなかったね。刀は今日始めて持ったみたい。帝都までは危ないから、護衛が付くんだけど、いないね。服装は学園の服よね、帯刀してるし、旅をしたことなさそうだし、忍君お金あるの」


神様のくれた服は学生服のようだ。


「実は現金は持ってないんです、お金のかわりに赤色の綺麗な石ならあるんですが」

話しながらリュックから赤い色の綺麗な石を取り出す」


「魔石知らないのね、ギルドで換金できるわ、それにしても現金が手持ちに無いのは困るわね、次の街で私達がたてかえてあげるね、いいわねミズキさん」


「これ魔石なんですね、教えてくれてありがとうございます」

綺麗な石はファンタジー世界、定番の魔石だったようだ。

たてかえてあげる? どういうこと?


「いいわよ、ユカリも受験で帝都に行くし、街まで送ってあげる、細かく聞きたいこともあるし、教えてくれるわよね」

みずきさん、目が怖いです、多少無理があるのは分かってます、逃げられない。


何者だろうと疑われてるようだ、知り合いは居ない、常識やルール分からない。


神様は普通なら人通りの多い場所に、転移させるはずだ。

人の行き来の少ない場所に転移。これは偶然では無いような気がした。


ただ、必然であっても神様からは、教えてほしかったと思った。

一人で異世界で放浪になるよりマシ、疑念をどうしよう。


決意を決める

「右も左も分からない俺ですが、よろしくお願いします」


ユカリさんが笑顔で話す。

「まるでヨメにくるような返事ね」

返事をしたときのユカリさんの笑顔はとても可愛かった。


彼女に成ってくれないかな。破壊力がすごい。


ユカリは黒髪に。吸い込まれそうな黒い瞳。

身長は160センチぐらいかな。

髪はハーフカット束ねることが出来るぎりぎりの長さ。

胸は、ある様な無い様な、未発達ではある。

俺と似たような服装の女性版。


ミズキさんは少し紺色系の黒髪に、濃い紺色の瞳。

身長は165センチぐらい。

髪型はポニーテールに近いかな後ろで束ねている。

体系はモデルのようで胸がでかい。スイカのようだ。

事務スーツのような服を着ている。


シキモリさんは茶髪に染めたような黒髪で、濃い茶色の瞳。

身長は170センチぐらいかな。

髪はショートカットで手でまとめ固めたようなおしゃれヘアー

筋肉はほどほどで細マッチョ、皮のような鎧に日本刀不思議な感じだ。



この人たちに出会えたことに神様に感謝するのであった。




○所変わって神様事務所


そこでは女神へべとクロノス神が話をしていた。


クロノス神がおもむろに話す。

「無事に出会えたようだね、彼らの出会いがこの世界にどう影響を及ぼせるか」


女神へべが返事をする。

「神の贖罪の生贄なのは分かってるわ、彼達と彼女達の青春が幸せならいいのよ」


女神へべは悲しそうな顔をする。


「過去は変更できない、変えてはいけない、ただ未来は変えることが出来る」

クロノス神も寂しそうな表情を見せた。

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