人間を軽く辞めてきた

 「殺す」


 俺は心の底から殺意を持ちアイテムボックスから、進化剣と生長剣を取り出しクズに斬りかかる。


 キ~ン


 しかし、簡単に受け取められてしまう。

 だけど、俺は諦めずに斬りかかる。


 武器マスターのLVが上がりました。

 よし、力が湧いてきた、だけどまだだ、まだLVが足りない。


 ただただ斬りかかる。


 しかし、躱され、受け流される。それでも斬りかかる。


 武器マスターのLVが上がりました。


 また、LVが上がった。

 だけど、まだ足りないもっと速く、もっと力強く。 

 もっとLVをもっとスキルを!もっと成長しろ。強くなれ。 


 身体強化のLVが上がりました。

 武器マスターのLVが上がりました。


  「おっ、なかなかいい攻撃してくんじゃね~か、だけどね俺様には勝てないよ、勇者様よう。あっそうだ、999これが何の数字か分かるか?俺様が殺した人の数だよ~~~、そして、記念すべき1000人目はお前だよ。1000人目が勇者なんて中々にそそるだろ。さあ、死ね~~~」


 気持ちの悪い顔でそんな事をほざく。

 見てると吐き気がしてくる。

 というか、999人ってどんな殺人者だよ。そんで律義に数えているのかよ、気持ち悪いな。本当にこんなクズ今すぐ殺さないといけないな。ああ、本当に殺さないといけないな。


 殺意LV1を獲得しました。


「クソ野郎が、死ね~~~~~~~」


 そう喉の奥から叫びながら斬りかかる。


 大声LV1を獲得しました。


 スパ


 その瞬間体がずれた。

 そして、俺の目の前には、


 足?

 あれ?


 どうして足が、そんな、俺の疑問、しかし、その理由はすぐわかった。

 足が切られたんだ。


「あああああああああああああああああああああああ、があああだだだあああああああああああああああああああああああああああああああ、いえああああたあああいあああああ」


 今まで味わった事のない痛みが体を襲う声にもならない叫び声をあげて転げ回る。


「ははhやkうなをあささnなkきゃ」


 呂律がまはらない。

 ヤバい、死ぬ・・・・・・・・


 痛覚耐性のLVが上がりました。

 痛覚耐性のLVが上がりました。

 痛覚耐性のLVが上がりました。

 痛覚耐性のLVが上がりました。

 痛覚耐性のLVが上がりました。

 痛覚耐性のLVが上がりました。

 精神強化のLVが上がりました。

 精神強化のLVが上がりました。

 精神強化のLVが上がりました。

 自然治癒LV1を獲得しました。


 自然治癒がスキル混沌と四大元素魔法に触れたため派生進化します。

 新たにスキル再生を手に入れました。


 ――――ぐちゃぐちゃぎょらぎょらぐチャ、メリメリぐちゃぐちゃ―――――

 急に痛みが和らぎ、それと同時に足からあり得ない程の気色悪い音が聞こえる。


 そっと、足を見ると生えていた。

 確かに切られたはずの足が、多分スキル再生を獲得した為だろう。

 足が生えるとは中々どうして人間を辞めて化け物に近づいてるなと思ったが、それが今は嬉しかった。

 何故って?これでまだ、あのクズを殺すために戦えるからな。


「うわ、気持ち悪足が生え変わるとか化け物かよ」


「化け物か、確かに足が生え変わるとか、化け物だと思うが、お前を殺すためならば化け物にでもなんでもなってやるよ、死ね~~~~~~」

 俺はそう叫んで一気に斬りかかる。


 加速LV1を獲得しました。

 武器マスターのLVが上がりました。


 カキ~~~ン


 そして、スキルのレベルが上がり強くなった俺はついに、クズの剣を弾き飛ばした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る