ジョブ進化

クズの剣を弾き飛ばし、その勢いのまま斬りかかる。


 スパ


 首を狙ったが避けられてしまう、それでも始めてクズの顔をかすり血を流させることが出来た。


「よくも、俺様の顔に傷を~~~、絶対に殺してやる」


 クズが怒りながら殴りかかってきた。

 それを、躱しつつ斬る、斬る斬る斬る。


 武器マスターのLVが上がりました。

 LVが上がった。更に強くなる。そして斬る。また斬る更に斬る。


 1分も立つ頃にはクズの体は血だらけで服もボロボロの血まみれ、後一撃で簡単に殺せるところまで追い詰めることが出来た。


「た、た、助けてくれ」

 クズが今頃になって命乞いをする。


「999人も殺しておいて何ほざいてんだ」


 怒りが混じった声でそう叫ぶと

 ゆっくりとクズに近ずき足を斬り落とす。


「あああああああ、がうあいおあああぎゃああああ」

 聞き取れない醜い声を上げて大声で叫ぶクズ、次に手を斬り落とす。


「あああ、うでがああ、ああおああいうああえがああるあああがあああ」

 また、叫び声を上げる。醜い叫び声をでもそろそろその叫び声にもあきたので俺は一斬躊躇せずに、


 首を斬り落とした。

 抵抗はなかった。

 そして、俺は初めて人を殺した。


 ジョブ万能者のLVが99上がった。

 万能者のLVが100になりました。

 ステータスが大幅上昇しました。

 ジョブ万能者がジョブ魔導武器王にクラスアップしました。

 エクストラスキル混沌と四大元素魔法と結界魔法が統合されました。

 それによりエクストラスキル魔導に統合進化しました。

 更に、エクストラスキル武器マスターがエクストラスキル武器王に進化しました。


 身体が熱い力が湧いてくるこれがレベルアップそしてクラスアップか、というか人殺してもLVって上がるんだな。

 ああ、俺はこれでメイドさんの敵を取れたという訳か、思ったよりもあっけなく、そして、早かったな。


 パチパチパチパチパチパチパチパチ


 「さすが、勇者様ですね。まだ召喚されて間もないのに副騎士長を殺すなんて、あれでも一応、私の能力でそれなりに強化したんですけど、まあ、知能は低下しちゃいましたけど。ハハハハハハハハハ」


 副魔導士長が拍手しながらそんな事を言い出した。


 ゾワゾワゾワゾワゾワゾワゾ


 何故だか知らないけど死の恐怖を感じて一歩後ずさった。


 ボン


 唐突に今いた場所がいや空間が爆ぜた。


 直感のLVが上がりました。


 「ほ~お、今のを避けるとは、言い勘してますね。ではこれならばどうでしょうか」


 いきなり色とりどりの球が出てきて俺に襲いかかる。その球からは恐ろしいという言葉すら生ぬるく感じる何かを感じた、そして理解する。あの球に当たったら死ぬと。


 だだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだ


 音を立てて襲いかかって来る球、球、球、球。

 ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい


 死ぬ~~~~~~~~~~。


 ともかく、逃げて避けて逃げて避けて避けて、反撃の機会を伺ってて、ヤバい、失敗した角に追い詰められた、逃げ道がない。死ぬ。


 スパ


 俺に襲いかかって来る球を誰かが一刀両断した。


 「すみません、ご主人様助けに来るのが遅れてしまいました」


 そこには、身長160センチで大きく白い翼に狐みたいな尻尾に黒色の猫耳の美女がいた。


 「えっ誰?」


 みたことのない美人がご主人様とかいうので、戦ってる最中&彼女が命の恩人という事を忘れて、ついそんな事を言ったら。


 「誰って酷いじゃないですかご主人様、イトですよイト」


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 「はえほえみな」

 この美女がイト・・・・・・・・・

 つい驚きのあまり変な声が出てしまった。


  イトが美女になったのはとても気になることだが、しかし、今のこの状況をどうにかしなければならないので後回しだ。


 どうにかといってもこの場を逃げ出すしか選択肢はないけど。ぶっちゃけこの魔導士あり得ないぐらい強い。ともかく強い。多分今は手加減しながら俺と戦っているから俺もイトも生きてはいるが副魔導士長が手加減を辞めて本気で殺しにかかってきたら確実に死ぬ。そんな相手に勝つとか不可能に近いしなんとか隙をついて逃げ出すしかない。でも、どうすれば、今の俺の手持ちで知識で使えそうなもの、・・・・・・・・・・よし、あれにしよう。多分成功するはずだ。俺は思いついた案をイトに伝える。


 そんな事を一人で一生懸命考えている間にも、魔法で創られたであろう球は襲いかかってくる。それを必死避ける。避けて避けて避けまくる。運が良ければこのままこの副魔導士長のMP切れが起こってくれれば簡単に逃げ出せそうだが。多分上手くいかないだろ。まあいい、取り敢えず逃げながらあの仕掛けをしよう。


 30分後


 案の定というべきか副魔導士長のMPは切れない。

 というか、どんどん速くどんどん数も増えていっていく。

 回避LV5を手に入れてなかったら確実に当たって死んでいるぞ。マジで化け物過ぎる。しかも、魔導士は超絶余裕そうで、明らかに遊んでるってのが見えるし。


「一応言っておきますがMP切れを狙っても無駄ですよ、私のこの魔法に使うMPは私のMP自然回復量以下ですから」

 それは予想していた。でも、敢えて驚いているふりをしよう。そして、ありがたいことに、俺の仕掛けもようやく完成した。位置も完璧だ。

 舐めプなのか分からないけど副魔導士長は最初にいた位置から一歩も動いていない、対して俺とイトはかなりドアに近い位置にいる。多分これで逃げれるはずだ。


「クソったれてるな、つまり俺はどうやっても殺されると」


「いいえ、勇者様が覚醒して私を殺せば逃げ出せますよ」


「ハハハ、そんなに都合よく覚醒できるかよ。これは少年漫画じゃないぞ、てなわけで、イト逃げるぞ、火魔法・空間魔法・複合・遠隔小火」


ドゴーーーーーーーーーーーーン


 そして起きるは床からの大爆発。威力は想定以上だが俺のいる場所の床は崩れていない。これなら何とか逃げれる。


「何か、こざかしい真似をしていると思ってましたが。まあ、思ったよりも弱いですね、さて、そろそろ飽きましたし終わらせますか。

 滅ぼせ・消せ・終わらせろ・無にしろ・消滅させよ・虚無にせよ・我は貴方という存在を拒絶する 【滅消終無】」

 爆風が漂う中突如副魔導士長が何かの呪文を唱えた。


 そして、その瞬間世界が真っ白になった。

――――――――――


主人公がした仕掛け。

一・避けながらイトと協力して床の土を遠隔で空間魔法に入れていく。

二・土魔法で可燃性の泥と油を生みだし、床の土の中に入れていく。(この可燃性の泥は一応泥炭を想定しています)

三・火魔法で着火


この時の注意点、自分の逃げ出す場所である扉付近の床はいじらないようにする。

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