吾輩は最強である
「ご主人様、大丈夫ですか」
「あ~、イトか。吾輩は大丈夫だ。それよりも戦いをしたくてしょうがない、というか体がうずうずしている、あああああああ、吾輩を吾輩は吾輩こそは完全なるレイラだ」
Gaaaaaaaaaaaaaaa
そんな、けたましい叫び声を上げたのは全長30mティラノサウルスの頭にグリフォンの胴体とドラゴンの胴体が混ざった様な歪な形で尻尾は何百匹の蛇がくっついたキマイラ・キメラというべきであろうか、まあ普通の人から見れば何とも恐ろしく強そうな魔物だった。
「なんだこの不愉快な音は、威嚇か?そんなで吾輩が腰を抜かすとでも思ったか、この下等生物めが」
シャ~~~~~~~~~~~
そう、叫びながら蛇が様々な魔法の弾を口から飛ばして来た。
その全てを生長剣と進化剣で叩き切るか、反射させる。そうしているとキマイラっぽい魔物の口が光りだし、レーザーを放つ。
それもまた同じように成長剣で叩き切った。
「弱い、弱い、弱過ぎる、そんな攻撃で我を殺せると思うか。魔物如きが。実に愚かだ死ね」
Gaaaaaaaaaaaa
そう、喚く魔物目掛けて剣を振るう。
グシャ
簡単に魔物の身体がえぐれる。それを見てニヤリと笑い、そして、もう一度剣を振るう。
グシャ
また、えぐれる、それを見、肉が抉れた感触を感じ笑う。
そしてまた剣を振るう。
グシャ
また、えぐる。笑う笑う笑う笑う笑う、楽しくなってくる。
「はっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっは」
盛大に声を出して笑っていた、斬る斬る斬れ斬れ斬れ切り裂け。
グシャぐしゃぐしゃ、ぐちゃ、ぐしゃ・・・
魔物の身体に傷が増え、最初こそ暴れていたが次第に動かなくなっていく。
そして、光に包まれてドロップ品になった。
魔帝武帝のLVが17上がりました。
ジョブのLVが最大になりました。
ジョブの進化を始めます・・・・・・ピコン、神の力によりジョブが特殊進化します。
ジョブ魔帝武帝から特殊ジョブ【魂混魔聖】に特殊進化しました。それにより、ステータスの大幅な上昇とユニークスキル【魂移界】を獲得しました。
「はっはっはっはっはっはっはっはっはっ、あああああああ、力が漲って来る、吾輩はまだ、殺したりん、戦い足りん」
そう叫びながら俺とレイラの魂が混ざった化け物は次の階層に行こうとしたときだった。
グシャ
そんな音を立ててレイラの足が潰れた。
「おいおい、あんまし魂をつなげてると正真の化け物になるぞ、早く魂を離せ」
やけに、陽気で明るい声でそんな事を言い出す虹色の髪と個性的な色をしている青年がいた。
「はっはっはっはっは、吾輩に命令するな殺すぞ」
いきなり現れた謎の青年に腹を立てて、青年に斬りかかるが、身体が動かなかった。
「そう、焦るなって、自分よりも圧倒的な格上と戦ったて勝てるわけないよ、まあ、ゆっくりお茶でもどう」
とても、穏やかに笑顔でそんなことを言う青年。
「なぜ、身体が動かぬ、吾輩は強い、吾輩は強い、吾輩は強い」
そうだ、吾輩は強い、強い、強い、こんなよく分からなに奴に殺されるほど弱くはない。吾輩は強いんだ。
「駄目だな、完全に自我が飛んでるね・・・・・・・・・しょうがない殺すか」
青年がそう言った瞬間、目に映ったのは自分の胴体だった。
つまり、頭が飛んだのだ。
「ご主人様~~~」
イトの叫び声が強ボス部屋に鳴り響く。
「吾輩は強い、吾輩は強い、吾輩は強い上に死なぬ」
宙に浮いた生首はそんな事を叫ぶ、そして、首なしの身体から触手の様な物が生えて、生首に絡みつき身体にくっつけた。
「吾輩は強い、吾輩は強い、吾輩は死なぬ、グギャ~~~~~~」
化け物は身体を再生させると奇声を発っしながら、青年に襲いかかった。
「頭飛んで死なないって本当に人間かよ?まあいい、こうなったら多少危険だが、しょうがない、あの手で行くか、環境神・タイフェミルが命じる、かの者の魂よ、元の二つの魂に戻り、正気を戻したまえ、【魂輪廻界】発動」
そう、青年が唱えるとレイラの身体が光り始める。やがてその光は大きな玉となり2つの玉に分裂する、そして、2つの光の玉はレイラの身体に溶けるように入っていった。
「あれ?僕、何してたんだろう?そういえば、神様が言ってた強ボスの魔物はどうなったんだ・・・・・・」
「ふ―良かった、成功して」
「成功したって、どいうこと、ねえねえお兄さん、僕は今どういう状況なのか知らない」
「そうだね、レイラちゃん、貴方はユウという人と魂を繋げて強くなった、そして強ボス部屋の魔物を倒した、その代わりに力に飲み込まれて、化け物となった、まあ、大雑把に説明するとこんなものかな」
なるほどね、記憶はないが感覚はある。この手で肉を斬ったという感覚が、それにしても魂をつなげるとこんなにも強くなれるのか、しかし記憶を失うのと自我がおかしくなるのか、それは結構危険だな。普通にリスクが高すぎる。出来る限り使わないようにしよう。しかし、そんなことよりもだ。この青年は誰だ?少なくとも俺の戦いを見てて、神が創った迷宮の100階層に行ける実力がある。魔物かなんかの類か、取り敢えず、様子見のため簡単な説明でも振ってみますか。
「ねえねえ、お兄さんは誰で、何でここにいるの」
ちょい、待て~~~、何でこんなドストレートな質問した、俺はこんなこと言った覚えないぞ、ん、もしかして、この質問したのレイラ。
{うん、そうだけど、どうしたのユウ君、だって、聞きたいことはストレートに言った方が分かりやすいんだもん}
もしかしてだけど、今、レイラと俺でこの身体を動かしている?うわ、超大変そう。つかどういう感覚だよ。これどうなるんだよ。
などと、思っていると青年が。
「さっきの質問の答えだけど、僕は環境神タイフェミル、でここにいる理由は君を殺すことだよ、レイラちゃん」
「「え?」」
青年の答えは俺とレイラにかなりの衝撃を与える物だった。というかレイラちゃんって何?
――――――――――――――――――
補足説明
ユウとレイラとその2つが混ざった魂について。
ユウ{男}{俺}・・・ステータスを十分の一程度しか生かせない、昔虐められてたため、余程感情が高ぶってない限り、人とあうとまず人を疑う所から始める、根は優しいが、悪事を働いた者を平気で殺せる、本が大好き。
レイラ{女}{僕}・・・ステータスを数十分の一程度しか生かせない、人とあんまり関わってこなかったから、すぐ人を信じる、誰にでも優しい、寂しがり屋。
ユウとレイラの魂が混ざった化け物{性別無し}{吾輩}・・・ステータスを完全に生かし切り、戦いを望む化け物、どんな敵でも戦いを挑み戦いに心の底から喜びを感じる、自己中心的で平気で人を殺せる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます