絶対にヤバい奴やん

 フースという仲間が増えた110階層の階段を降りで111階層に向かった。


 するとそこは、砂漠だった。


 アホじゃないかってぐらい、砂嵐が吹き荒れ、砂に隠れて魔物が襲ってくる普通の人にとっては中々過酷な環境であった。


 まあ。俺にとってはただひたすらイラッと来る階層だけれども。まあ、112階層に到着する頃には、環境無効{砂}を獲得したわけで。多少はましにはなったが、まあうざいものはうざい、視界は暗いし、砂はうるさいし、当たるとステータスが高いからか痛くはないけどくすぐったいし。マントで身体覆っても砂は小さいから隙間に入ってくるし、結界魔法は使ったらアホみたいに魔力消費するし。というか面倒だし。


 だから、最終的には「砂こっち来るな」と切れ気味で喚いて、自分で砂を操り避けたいと願ったら、成長補正のおかげで【砂操作】というスキルを獲得しました。うん。人間願ってみるもんやな。


 まあ、ほんでもってこのスキルはかなり使い勝手が良かった。


 HPやMP等は一切使わず砂を操るスキルだ。あんまり複雑なこと、例えば砂で巨大な城を使ったりするみたいなことは出来ないけど。砂を操ってこっちに来ないようにすることは簡単に出来た。というわけで、このスキルのお陰で砂はこっちに来なくなった。おかげでストレスからも解放され、サクサクと攻略していった。まあそんなわけで119階層まで行くのにかかった時間は5日、俺のLVは38まで上がって、イトのLVが68まで上がって、フースのLVは47まで上がった。スキルLVもそれなりに上がってドロップ品もアホみたいに手に入れた。「やったね」まあ、早く300階層まで攻略したいんでサクッと120階層のボス倒していきますか。


 そう思い120階層のボスに戦いを挑んだ。


 ・・・・・・・・・


 ボス部屋に行くとそこには土下座している太ったオッサンがいた。


 ・・・・・・・・・


 気まずい沈黙


 ・・・・・・・・・


「何で、ボスのはずの魔物が土下座しているの?どういうことだ?」

 気まずい沈黙に耐えかねて俺はそう言った。


「貴方様には敵いません、一目見て分かりました、貴方様は選ばれた存在だと、強く優しい完璧な存在、そんな、貴方様と戦うなど恐れ多くてとてもできません」

 ・・・なんだこいつ、選ばれた存在だの強くて優しいだの、褒め言葉だろうけどお世辞に聞こえイラッとするな、それに外見も太ったオッサンというね、なんていうか思いっ切り胡麻擦ってるし、罠ですよ~感が凄い。まあ取り敢えず、一旦様子でも見るか。


「おい、魔物お前は俺に土下座してどうするつもりだ」

「はい、それはですね、・・・・・・」

「声が小さくてよく聞こえない」

「すみません、だから、・・・・・・」


 こいつ、ワザと声小さくしてるな、大方自分の近くに罠でも張ってるのか、とかカッコつけて考えてるけど、実際はユニークスキル気配完全支配により罠があることは確認済み。まあ、気配完全支配を使わなくとも、罠がある位分かるけど。明らかに怪しいしね。


 しかしこの魔物嘘ついて敵を罠に嵌めるタイプの魔物かな?それにしては、わかりやすすぎだろ、神様作ってる時に分かりやすいって思わなかったのかな?それとも失礼だけど神様がアホだったのかな?


 まあいいや、早く次の階層に行きたいし殺すか。そう思い、生長剣と進化剣を取り出し切りかかる。


「かかったな、ここら一体には罠が仕掛けられていててめーのような雑魚なんてすぐ死ぬぜ、ギャハワハへラマカカカ」

 俺が切りかかったのを見て、罠にはまったと思ったのか、笑い出す魔物、うん、不快だイラつくし笑い方、気持ち悪いし、早く殺そう。


 そう思い、気配完全支配を使い全ての罠を躱して魔物の首に剣を当てた。


 スパ


 軽快な音ともに魔物はドロップ品となり消えていった。


「ボスにしては弱過ぎだろ」

 と一人呟くとフースが。


「グランドマスター、あの魔物はあれでもドッペルゲンガーキングというzランクの魔物ですよ」


「あっ、そうなの、何か強そうな名前の魔物だな。まあでも実際簡単に倒せたし、大した魔物じゃなかったんやろう」

 そんなことよりも、ドロップ品に宝箱の確認だぜ、イエーイ。というわけでワクワク気分でドロップ品と宝箱を確認した。


 ドロップ品からはzランク魔石1つと、認識疎外の指輪1つだった。宝箱からは変化の指輪という、今まで見たものすべてに、姿を変えるというアイテムだった。思ったよりも使えるのが出たためかなり嬉しかったです。うん、ありがとう太ったオッサン。ありがとうドッペルゲンガーキング。


 ――――――――――――

 補足説明

 ドッペルゲンガーキングについて、普通のドッペルゲンガーは自分の姿形を変えるだけだが、ドッペルゲンガーキングは姿形に加えてステータスもコピーする恐ろしい魔物です。かつてドッペルゲンガーキングがステータス100万越えの神聖神竜王のステータスをコピーし大暴れし大陸が1つ沈んだ話があるため、見つけ次第殺すようにというわれてる、メチャクチャ危険な魔物です。

 ――――――――――――


 120階層をクリアした俺は、早速121階層へと降りたら、そこは水中だった。分かりやすく簡単に説明するとマ〇オの水中ステージみたいな感じだ。

 しかし水の中だと息ができいないしな困った・・・ってのは嘘で俺には本を読んで得た。様々な魔法の知識がある、水中で息できるようにする魔法や息をしなくても大丈夫になる魔法、自分の周りを風の結界で覆う魔法、水中に潜るための魔法なんていくらでもある、こんな水中など、何にも怖くない、さあダンジョン攻略だ。今回は簡単に攻略できそうだ。


 ・・・・・・・・・・・・・・


 10分後


「クソが~~~」


 大声のLVが上がりました。


 俺は思いっ切り叫んだ。 


 その理由は勿論この階層の魔物のせいだ、状況をさかのぼると俺は水中ステージにいくため取り敢えず、コストが軽く、持続時間も長い、水中息{その名の通り、水中で息ができるようになる水の初級魔法}という魔法を使って水中ステージにを潜った。そこまでは良かった、恐ろしかったのは、その後だ、俺は一応のため常に気配完全支配を発動させ魔物に注意している、その為、魔物が来たら気配完全支配により、簡単に分かった。

 だが今回は違った、気配完全支配を発動してるはずなのに、何故か気配完全支配が発動せずに数千匹もの剣の形をした魔物が急に現れ襲いかかって来たのだ。

 勿論驚いたが冷静に雷魔法を発動させドロップ品に変えた、だが恐ろしいのはここからだった、何と急に、また同じ魔物が現れたのだ、それも数万匹、そして頑張ってその魔物を倒すと今度は数十万匹現れて・・・・・・・・・・・・・・・・・エンドレス


 で、今の状況に至るわけだ。


「このイラつく魔物どうすればいいかだ」


 マジで本気でどうするか、この魔物と考えながら戦うこと10分。ついにその答えが出た。


 それは、水蒸気爆発だ。

 俺はこの水中で魔物を倒し切るということばかりに気を取られていたが、俺の目的はあくまでダンジョン攻略をすることだ、それならわざわざ魔物を全滅させなくともよい、水蒸気爆発でここら一帯の水を無くして魔物がこっちに来れないようにして、次の階層に降りればいいのだ、幸いなことにフースは元とは言え火の上位精霊だし、イトは援護にたけてるスキル構成だし、水蒸気爆発の攻撃をより高威力にしてこの階層一帯を爆発させることは多分出来るだろう。よし、やりますか。


 というわけで、早速イトに念話で伝えるって、あれ?フースにはどうやって伝えたらいいんだ?取り敢えずイトに聞いてみるか。


 「イト聞こえるか」


 「はい、聞こえますご主人様」


 「イト聞きたいんだが、フースに今この状況を打開する方法を思いついたんで伝えたいんだけど、方法はあるか?」


 「すみませんが、ご主人様、フースとは眷族ですが。ご主人様のように魂から繋がってませんし、新しくスキルを入手するしか方法はないと思います」


「なるほどね、分かった、ありがとうイト」


 というわけで、早速念話スキル獲得を目指しますか。

 イメージはそうだな、見えない糸でつながっていて、会話をするような感じで。俺には恐ろしいまでの成長補正があるんだ行ける。行ける。行ける。


 スキル念話を獲得しました。


 「お~~~い。フース聞こえているか」


 「聞こえています。グランドマスター」


 うん、ちゃんと聞こえている、いや、俺の成長補正凄いはマジで。さてと、それじゃあ水蒸気爆発の算段について説明しますか。


 1分後


 よし、話はまとまった。


「それじゃあいっちょ、いきますか」


 俺はさっき倒したドッペルゲンガーキングの魔石と火の人工魔石10個を取り出して、魔法を唱える。それに伴い、フースが超精神生命体化をし魔法を唱えてく。2つの魔法により生み出される炎をイトが制御し、まとめ、より大きいく高威力の魔法にしてく。

 そして今俺達が作った魔法が完成する。

  あっ、それと、魔法に巻き込まれるかもしれないし念の為、結界張っとくか、MP3万使い、俺、イト、フースに超級魔法絶対防御をかける。

 さてと、じゃあ、気を取り直して。


「「「行け。超合体魔法プロメテウス・ワールド・焔麟滅沌」」」


 俺、イト、フースがそう高らかに宣言する。{因みに俺がイトとフースに言えといった、だってその方がカッコイイから}


 スキル火焔魔法LV3を獲得しました。

 スキル合体魔法LV2を獲得しました。

 魔導王のLVが上がった。


 スキル獲得にLVアップやったね。


 ドッカン、グシャ、グシャ、ドッカン


 やけに大きな音と何かがえぐれる音等が聞こえるとともに、大量にあった水が全て蒸発、床、壁等も木端微塵になり、あたりにはただ静けさだけが広がっていた。


 魂混魔聖極のLVが62上がりました。

 それによりジョブのLVが最大になりました、進化を始めます、・・・・・・ピコン、破壊神、邪神、復讐神からの干渉がありました、ジョブが神化します・・・・・・・・・ピコン、新たにジョブは【神殺】に神化しました、それによりステータスの超大幅上昇とゴッドスキル【神殺】とユニークスキル【神界会話】に破壊神の加護{強}邪神の加護{強}と復讐神の加護{強}に称号、【神を殺せし力を持つ者】・【神から加護を与えられし者】を獲得しました。


 ・・・・・・・・・・・・・・・


「何かよくわかららないけど、絶対にヤバい奴だろこれ~~~~~~~~」


 大声のLVがMAXまで上がりました。

 これによりスキル大声がエクストラスキル音声操作に進化しました。

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