裁きの神・ウルティ

 世界が灰色になって動かなくなるって、まあ、ラノベじゃ・・・あるあるなんだけど、実際に遭遇してみると凄い変な感じだな。なんて考えていたら。


 いきなり目の前の空間が歪み、紫色の30センチ位の球が出てきた。そしてその球は、どこから声出してんのか分らんけど、俺に偉そうに言った。


「我は裁きの神・ウルティなり、下級神を神ですらない人間ごときが殺した罪として裁きに来た」


 ・・・・・・・・・


 裁きの神・ウルティ、どこかで聞いたことのあるような・・・あっ、思い出した。多分、俺の祖父だと思われる。邪神カイスを裁いた神だ・・・ヤバくねこれ、最上位神って、俺が今最下級神だから、勝てる気がしない。


 ゾワ


 いきなり俺の前の空間が爆ぜて俺が肉片になる未来が見えた。多分俺の持ってるスキル未来予測の効果だろう。だから俺は思いっきり飛びのいた。


 グシャ


 そうして俺が飛びのいた瞬間に俺のさっきいた空間が爆ぜた。


 エクストラスキル「未来予知」を獲得しました。

 お、これまた丁度いいスキルゲット。未来予測との違いはよく分からないが。ないに越したことはない。取り敢えず、この攻撃を避けて、避けて良いスキルを獲得して。何とかこの場から逃げきってやる。


 _______からの干渉を確認しました・10分限定・ゴッドスキル【超神覚醒】を獲得しました。


「何だこれは。急に力が湧いてくる。力が溢れて来る。ステータスがどれだけ上がってるんだこれは100倍か?1000倍か?いやそんなレベルじゃない。存在そのものが何段階も上に上がったような感じだ。今ならば何でも出来そうだ。おいウルティ、お前は我を裁くといったな。じゃあ、裁けるもんなら裁いてみろ」


 俺は一気にウルティに近ずき、生長剣と進化剣を取り出し切り付けようとしたが、ウルティの周りの空間が爆ぜる未来が見えたから、急いで避ける。なるほど未来予測と未来予知いい仕事してるな。


 パチパチパチパチ


「凄いね、今のを避けるか。まっ、と言っても避けてばっかりじゃ、僕に傷つけるのなんて不可能に近いけどね」


 ウザったらしく、拍手し笑っている音を発しながらこちらに近づいてくる。


 クソうぜえな。まるでクソロットイみたいだな。・・・ん、もしかして、こいつロットイじゃね?裁きの神がいきなり、罪の犯したことのない人間を裁くか。いやまあ神殺しは罪かもしれないけど。それでもあれは立派な正当防衛だ。理不尽に裁かれるのはおかしいというか、ウルティって俺は種族でいえば人間という要素0の邪エル鬼の俺を人間といったよな?ウルティは邪神カイスを裁いたはずだ、ならばそれに娘が居るのは知ってるはずだ。その娘は邪神の血を引くから少なくとも少しは観察するだろう。ならその娘に娘?が生まれたのも知ってるはず?考えすぎか、いや、でも・・・空間が爆ぜる。ヤバい、避けなきゃ。


 ぐチャ


 右腕持ってかれた。考えすぎたな、戦いに集中しなきゃ、あれ、何で再生しない、俺には【完全復元】というスキルがあるはずなのに。


「無駄だよ、僕のゴットスキル・【時空・空間・異次元】の前には、このスキルを使った攻撃で失ったものは、最上位神並みの力がないと治せないからな。ハハハハハハ」


 治せないだと、ふざけるな、俺の成長補正にスキル適性みせてやる。


 治れ治れ治れ治れ治れ治れ治れ治れ治れ治れ治れ


 アルティメットスキル【法則完全支配】がゴットスキル【法則・理・完全支配】に神進化しました。


 特殊スキル・神耐性が部分的に派生しました。

 特殊スキル・神耐性・時空間耐性を獲得しました。


 その瞬間、腕が新しく生えた。


「馬鹿な、再生しただと、だがまあいい、どうせ殺すんだからな、死ね」


 その瞬間、俺の周りの空間が全て爆ぜて肉片になる未来が見えた。ヤバい、避けれない、このままじゃ・・・死・・・ぬ・・・そんなは嫌だ。死んで死んでたまるか、俺は生きるんだ。


「死んでたまるか~~~、超級結界魔法・完全結界」


 パリ~ン


「割れた、てか、やっぱり無理だ。死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ・・・あれ、死んでない・・・どうして」


「大丈夫でしたか、お怪我はありませんか」

 不意にとてもきれいでよく通る声が頭の中に響きだす。


「あっ、はい」


 取り敢えず、慌てて受けごたえすると、


「そうでしたか、それは良かったです。後のことは私に任せてください、愚かにも私の名を騙り、様々な悪事を働いてきた。時空神ロットイよ。貴方を今ここで裁きます。裁きの神・ウルティの名に懸けて」


 姿は見えないが裁きの神・ウルティの言葉を聞いて俺は身体中の細胞が死の恐怖を覚えるぐらい濃厚な【殺意】を感じた。これが最上位神の力・・・俺は、この高見まで行けるか。ここまで強くなれるのか。俺の成長補正が今までどんな環境にもあったスキルを獲得できたからこそ、生き残れたが、今回はどうだった、多分裁きの神・ウルティがいなければ、俺は確実に死んでいた。


「お、お、お待ちよ、ウルティ様、私をどうか裁かないでください。なにとぞ何卒、お慈悲を、お慈悲を」


「駄目だ。大人しく裁かれなさい。時空神ロットイよ。お前は超えてはならない一線を越えたのだ。死ね・ゴットスキル【最上位神の裁き】」


 aaaaaaaaaa・・・お慈悲を・・・プチ


 そして、クソロットイは消えた。

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