神からの頼み事

 気が付いたら白い空間にいた。俺はそこ見覚えがあった。そう前にレイラとあった場所だ。もしくは転生する時、神と邂逅した場所。


 そこには驚くべき人物がいた、いや、人物と言っていいかは分からない?なぜならそれは神なのだから。


 そうそこにいたのは気配神と環境神だった。あの時空神・ロットイと同じ神だ。ということは俺の敵という可能性が高い。戦ってみるか?そう思いはしたが前よりも強くなったから分かる。この二人、いや二柱に神の力に俺じゃあ逆立ちしても敵わない化け物だということに。神というのは俺の想像以上に圧倒的で想像以上の強さを持っていた。いや、待てでも、そう言えばこの二柱は何となくだけど時空神・ロットイを嫌ってなかったけ?いや。まあそこまで関わってないから、あくまで確かそうだったような気がするってだけだけど。まあ、でもどちらにしたって俺がこの二柱に勝てないのは事実だ。敵対されたらどうしようもないな。


 俺はそんな二柱を前に無駄かもしれないが一応身構えた。


「ユウ、お前に頼みたいことがある」

 いきなり気配神と環境神が俺にそう言って頭を下げてきた。


「え?」


 思いもよらない言葉に、驚いてしまった。いや?どういうことだ?頼みとはなんだ?どうして俺よりも圧倒的な格上である神が俺に、俺如きに頭を下げた?


「気配神様と環境神様。頼みとは一体何でしょうか?それと何故私のような格下に頭を下げるのですか?」


「それはもちろん、クソロットイの破滅に手を貸すことが出来そうだからだ」

 帰ってきた答えは、思いもよらない物だった。破滅に手を貸すだと・・・どういうことだ?この二柱は時空神・ロットイを怨んでいるのか?何で?


「何故、俺に時空神・ロットイの破滅に手を貸せと頼むんですか?」

 取り敢えず俺は理由を聞いてみた。


「俺達はな。時空神・ロットイ、いや。クソロットイが大嫌いだ。何故かって?そりゃ簡単だ真実を知ってしまったんだよ。アイツが俺達にした恐ろしい真実を。まあ、その理由は人間であるお前に説明しても分からないから割愛するが、ようはクソロットイは時空神である為持っている、時空支配の権能を使いかなり好き勝手してるんだよ。時空支配の権能はかなり強力だ。そな辺の神じゃ到底太刀打ちできない程にな。だがまあ、もちろんそれに太刀打ちできる者はいる。それは、同じ時空支配系統の神、もしくは、最上位神・絶対神・そして耐性を持つ者だ。俺達にはこのどれも手に入れることは不可能だ。何でどう頑張ったってクソロットイには敵わない。だけど、お前にはあのクソロットイに勝てる可能性がある。何故って。耐性を獲得出来そうだからだよ。時空間耐性・時空間支配に対する耐性を持つスキル・これを持てばあのいけ好かないクソロットイの時空間支配を打ち破れる。だから、頼もう。クソロットイの破滅に手を貸してくれ」

 なるほど、そういうわけか。まあ、納得はした。しっかし時空間支配か。それは確かに強力だな。でも俺には耐性を獲得出来るという事か、この器用貧乏と成長補正の効果で。なるほど、確かにそれならば俺にも勝てる可能性はあるかもしれない。それに俺は時空神・ロットイを殺さなければいけない大きな理由が出来たしな。理由?そんなものアイツの部下が俺のイトを殺したからに・・・・・・


 あれ、何故俺はこんな大切な事を忘れていた。何故俺は今こんな場所にいる、俺は確かダンジョンにいたはずじゃ・・・・


 特殊スキル・神耐性を獲得しました。


 特殊スキル・神耐性・・・?なんじゃそれは?


「お。もう獲得したか。流石の成長補正だな。一応説明してやるが。お前の大好きなイトは無事だ。それと俺達はわざとお前に神の権限を使って認識を狂わせた。理由は神耐性を獲得させるためだ。これがあるだけで神とはかなり戦いやすくなるんでな」

 なるほど。そういうことなのか。多分嘘はついていないだろう。

 そうなると。俺はこのまま気配神と環境神の二柱と協力関係を結ぶのが一番良さそうかな


「分かりました。共にクソロットイを破滅させるべく頑張りましょう」


「そうか。協力してくれるか。感謝する。コウスケよ。ではお主に今からクソロットイを破滅させる協力者として、我ら気配神と環境神から、加護とスキルを与えよう」


 気配神の加護{中}と環境神の加護{中}とユニークスキル【環境完全支配】を獲得しました。

 身体から力が湧いてくる。


「ありがとうございます。気配神様・環境神様」


「気にするな、それよりも、今戦ってる、下級神に勝てよ。あ奴はクソロットイの部下でクソロットイに忠誠を誓い甘い汁を吸ってるクソ野郎だ。勝って強くなれ」


「はい、もちろんです」

 俺がそう言うと体が光だし、意識が飛んだ。

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