ハッピーエンド
「はい、どうも皆待ってた。遊戯神だよ。まあ正確に言えばこの世の全ての遊戯を司る絶対的なる神の一柱かな?まあいいや、とりあえずはいどうぞ」
俺がクソロットイを殺したその瞬間に現れる遊戯神様、そんな遊戯神様はイトをお姫様抱っこしていた。
そして俺にイトを渡してくれる。
俺はイトをお姫様抱っこで受け取る。イトはスヤスヤと眠っていた。とても可愛い寝顔であった。
「ありがとうございます。遊戯神様」
「いや、良いってことよ。何、十分君には楽しませてもらったしね。そのお礼さ。まあこれから神となった君がどうやって生き、何を成すのか、お菓子でもつまみながら面白おかしく見せてもらうよ。まあ今回の件の厄介事はこちらで何とかしとくから、自分の思うように生きてね。じゃあ。またね」
そう言って遊戯神様は消えた。
かなり自由奔放な人であった。しかし遊戯神様がいなければ俺は確実に死んでいた。今はただただ感謝をしよう。ありがとうございます。遊戯神様。
さてと、これで全部終わったのかな?
時空神・ロットイもといクソロットイを殺した。
裁きの神の方の話もあるが。まあ多分それよりも上位の存在っぽい遊戯神様が介入したんだ。どうにかなるだろう。うん、どうにかなりそうだな。素晴らしい。
「よう。もう一人の俺」
いきなり話しかけられた。
後ろを振り向くとそこには俺がいた。いや違う。佐藤・幸助がいた。
「そうだな。確かにもう一人の俺だ。援護ありがとうな。お前がいなければ俺は確実に死んでいた」
「何、いってことよ。俺はお前でお前は俺だからな。まあいいや。さてと、じゃあ本題に入ろうか」
「本題?どうした俺?」
「いや、何?簡単なことだ。レイラの身体にいるお前の意識を俺に移さないかということだ」
「あ、なるほど、そういう事か、確かにそうだな」
「ああ、そうだろう。元々今お前のいる身体はレイラの物だ、それをお前が、いや俺がクソロットイとその仲間たちのせいとは言え、乗っ取ったんだ。それをよろしくないだろ。だろ?だから身体を返すんだよ」
「確かに。だが、俺よ問題がある。俺、レイラの中にいる俺は神となったから、だから色んな物事が分かるようになったんだ。そのせいで分かりたくないことまで分かってしまったんだよ。今俺がこの身体から離れたら、身体に宿る神としての力に魂が耐えられずにレイラの魂が死ぬ」
「ああ、その事か。別にその程度簡単に解決出来るだろ。肉体を捨てて作り直す。いや、肉体を新しく作ればいいじゃないか?」
「肉体を新しく作るだと?そんな事出来るかって出来るな。俺は神だったな、うん出来るな、よし、じゃあそうするか」
「ああ、そうしてくれ俺よ」
「じゃあ、早速肉体を作るは、肉体複製」
そう言ってレイラは自分と全く同じ肉体を複製する。しかし、複製したものはありとあらゆる所まで一緒ではあるが、神の力が含まれているという点は違っていた。
否、作りものに神の力を宿すという行為はかなり難しく不可能に近い物であった。
だからこそ、逆に神の力が宿っていないが十分な強度のある肉体が完成した。
「うん、良い出来じゃないか。流石神の力だな。今の一瞬でスキルを獲得して肉体を複製もとい作り出すとは」
「確かにな。自分でも正直驚いている」
「ハハハ。そうか、まあ自分だしな考えていることは一緒か。さて、じゃあ魂を移しますかって、その前に服を着せた方がいいんじゃないか。一応女の子なわけだしな」
「お、流石俺だな、俺もそう思ってたところだ。さてと創生魔法・服創生」
俺はサクッと綺麗なドレスを創生する。
「人形魔法・人形操作・お着換えをしろ」
そしてドレスを自ら着させる。
「おう。中々似合ってるね。じゃあ魂を移しましょ」
「そうだな、えっと、魂の移し方って、確かキスだったよな?」
「ああ、そうだよ、俺何恥ずかしがる必要はないだろう。どうせ一回キスしてんだし」
「確かにそうだな、じゃあ早速」
チュ
そしてレイラの魂はほぼ完璧に複製された肉体の中に入っていった。
「あれ?目が覚めないぞ?どした?もしかして魂が痛んでるとか?」
「ああ、確かに有り得そうだな。じゃあ魂を直さないとな。ほいっと。魂治癒」
今一瞬で覚えた魂治癒の効果により。神との戦いやいきなり神になったり大量のスキルを獲得したり。死んでしまったりとでかなり傷ついていたレイラ(本体)の魂を治癒させる。
「あれ?ここはどこだ?僕は一体?」
「お、起きたなレイラちゃん?」
佐藤・幸助がそう言った。
「え、君はまさか、コウスケ君?もう一人の僕?」
「おう、そうだけど違う?お前の言ってるもう一人の僕ってのはこっちだ」
佐藤・幸助はそう言って俺を指刺した。
「え?え~~~、自分が自分がいる。何で何で何で」
めっちゃ驚くレイラちゃん。うんあれだな流石女の子だ可愛い。全く同じ姿の俺が同じことをしても多分ここまで可愛くないだろうな。
「いや。ごめんね今すぐ姿変えるから。姿変化」
俺はレイラの姿から自分の姿に変化させる。
「さて、これでいいかなって、これじゃあ俺と俺が二人いる上にどっちがどっちかわけわからなくなるな」
「ああ、確かにそうだな俺よ。じゃあ。どうする俺同士で魂を繋げるか?」
「それっと俺同士でキスするってことじゃないか、何か嫌だよ。というか別にわざわざ魂を繋げる必要あるか?別に記憶の神殿あるし大丈夫じゃね?」
「確かにそうだな。じゃあそれはいいや。その代わりというか早くイトを起こすのと、レイラのお母さんもとい生贄の皆を解放したらどうだ?」
「ああ、そうだったな。申し訳ない俺」
「いや。大丈夫だぞ俺」
「よし。じゃあまずイトを起こしますか。回復魔法・完全回復」
俺が回復魔法・完全回復でイトを完璧に治癒させた。
「あ、ご主人様。不覚を取ってしまい申し訳ありません」
そう言って俺に謝罪をしてくるイト。別に俺はそんなの気にしていなかった、というかイトが無事ならそれでよかった。今こうして俺の前で喋ってくれる。それだけで嬉しくてなんか急に涙が出てくる。
あれ?俺神なのに?神なのに泣くんだな。俺はそう思いながらギュッとイトを抱きしめた。
「良かった、イトが無事で本当に良かった」
「おい、俺イトが無事でほっとしている気持ちはよく分かるが早く元生贄達もといレイラのお母さんを開放し」
「ああ、そうだったな。すまない俺。確か元生贄達を保管していた場所というか空間はっと・・・あった。ぐっすりと眠っているな。じゃあこっから取り出してっと。レイラのお母さん以外は取り敢えず元の場所もしくは安全な所に転移させるか。空間魔法・範囲指定・その人が望む場所・もしくはとても安全な場所。あ、それと一応お金も一緒に転移させてあげるか。空間魔法・指定さっき飛ばした人・内容・金貨・銀貨・銅貨。よしと、取り敢えずこれでいいかな?」
「ああ、良いと思うぞ俺。じゃあ次はレイラのお母さんだな」
「ああ、そうだな俺。よし、レイラお母さんを起こしてやりな。お母さんはあくまで眠っているだけで少々の外的要因があれば簡単に起きるぞ」
「コウスケ君・・・分かった。色々とありがとう。じゃあ起こすね」
そしてレイラは自分の母親に抱き着いた。
その外的要因によりレイラのお母さんは目を覚ました。
「あれ?ここは?私は確か生贄に・・・」
「お母さん。お母さん。お母さん。お母さん。良かったよ無事だったよ。本当に良かった」
レイラがお母さんを強く抱きしめる。感動の親子の再開だ。
「レイラ、レイラなのかい。良かったレイラも無事だったんだね。良かった本当に良かった」
二人ともが涙を流しながら抱きしめあう。何と素晴らしい光景か。ヤバい俺も少し涙が出てきた。
「うう、良い光景だな。そうは思わないか俺」
「ああ。そうだな俺。さてと、俺よ取り敢えずこの二人を元の場所に帰そうか?何だかんだであの二人はあそこにいた時が一番幸せそうだったしな。それにあそこにはずっと過ごしてきた義理の兄弟姉妹にメイドさん達がいるしな」
「そうかもな。でも俺が全て決めていいことじゃない。二人に聞かないと」
「ああ、それはその通りだな」
「レイラとお母さん、これからどうしたいですか。やろうと思えば元の場所に返すことも一国の女王にすることも安全な場所で二人が幸せに暮らせるようにすることも可能です。二人は何を望みますか?」
「私は元の場所に帰ることを望みます。私達二人だと少し寂しいですし。それに何だかんだであそこでの生活は幸せでしたから」
「そうですか。分かりました。では転移させますね。まあ一応のケアはしますので二人がこれから確実に幸せに暮らせるようにはしときますよ」
「そうですか。何から何までありがとうございます。いや、違うわね。ありがとう私の可愛い息子よ」
「ハハハ、やっぱり気が付いていましたか。俺がいや僕がお母さんの息子である、いや、身体を乗っ取っていたことに」
「ええ、もちろん。でも身体を乗っ取ったとは私もレイラも思ってはいませんよ。私にとっては可愛い可愛い子供ですから」
「そうですか。それは本当に嬉しいです。では転移させますね」
「ちょっと待って、最後に二人を抱きしめていいかしら?」
「二人って?俺もか?」
そう神ではない方の佐藤・幸助が驚き言った。
「ええ。そうです。二人共です」
「おい、俺決意は固いようだぞ。大人しく抱きしめられるか」
「ああ、そうだな」
俺と俺は二人揃ってお母さんの近くに寄る。
ギュッ~~~~~
二人まとめてギュット抱きしめられた。
とてもとても落ち着き優しい気持ちになれた。
「もう、転移しても大丈夫ですよ」
「分かりました。えっと、お母さん」
「フフフ。会いたくなったらいつでもお母さんのところに来てもいいからね」
「そうですね。会いたくなったら会いに行きます。では・転移魔法・転移・指定・元の住まう家に」
そして俺は二人を転移させた。
「母は強しだな。そうは思わないか俺?」
「ああ、そうだな。さてとじゃあお母さんとレイラの為にあの国に圧を掛けますか」
「そうだな。といっても眷族にちょこちょこっと命令するだけの簡単な仕事だろ」
「まあそうだな。ぶっちゃけ俺の眷族がもうこの世界のほとんどを支配しているからな。命令をすれば基本なんでもしてくれるからな」
「そうだな。超絶便利だな」
「じゃあ適当に命令するわ。我が眷族達よ。命令だ。俺のお母さんとレイラに不利なことが起こらないようにしろ。あの父親が横暴な事をしないように圧をかけておけ、二人が幸せに暮らせるように環境を整えろ陰から守れ。まあこんなところかな」
「そんな所だろ。それだけすれば十分だ」
「そうだな。さてと、じゃあ俺は今からどうする?」
「どうするか?そうだな。・・・・・・まあ異世界を楽しもうかな。俺は神の力は持っていないが下級神程度ならば殺せる力は持っているしな。結構色んな無茶しても大丈夫だろ」
「確かにそうだな。まあ俺は神の力を持っているしな、多分上位神程度ならば余裕で勝てるしな。うん。俺も異世界を存分に楽しもうかな。イトと一緒に」
「そうか。それは楽しそうだな。じゃあ俺はハーレム主人公にでもなろうかな。それも楽しそうだろ」
「確かにハーレム主人公か、面白そうだな。まあ俺はイトがいるからいいけど」
「そうか。それは羨ましい限りだな。まあいいや。俺はもう行くよ。取り敢えず手始めにクラスメートの可愛い娘何人か落としてくる」
「お前、俺ってそんな性格だっけ?落としてくるって、いや、まあ力を手に入れたら性格くらい変わるか。まあ、程々にしとけよ俺」
「分かったよ。まあ刺されないように気を付けるって、刺されても多分平気だろうけど」
「いや、心にダメージ入るかやめとけ」
「ハハハ。確かにな。まあ俺は俺で楽しくやるよ。俺も楽しくやれよ」
「ああ、そうするよ。じゃあな俺、またどこかで合う日まで」
「じゃあな俺。またどこかで合う日まで・空間魔法・転移」
そして神ではない方の佐藤・幸助は転移した。
「さてと、イト一緒に異世界放浪旅でもするか」
俺はそう言ってイトに笑いかけた。
「そうですねご主人様」
イトもそう言って俺に笑いかけてくれる。うんいい雰囲気だ。
「ちょっと、僕も忘れないで下さいよ~~~」
それをぶち壊すようにいきなりショタのフースが現れる。いやマジでこんあタイミングで来るかよ?まあいいか。
「ああ、すっかり忘れてたよ、じゃあ三人で行くか」
「そうですね。ご主人様」「三人で、ありがとうございます、グランドマスター」
そして神となった俺は眷族であるイトとその眷族であるフースの三人で異世界を楽しく放浪する旅が始まった。
その物語はまた別のお話。
――――――――――――――――――
補足説明
佐藤・幸助の魂が二つに分かれているという設定です。
片方が偽者とかコピーされたものとかそういうのではありません。
イトは一旦時空神・ロットイの手によって時空間から存在そのものを抹消させられかけましたが、絶対神である遊戯神がそれを止めて無事だったという設定です。
ただ干渉はされてしまったので、主人公の記憶及びスキルに影響が入ったという設定です。
同じ理屈で自分の今までしたことも抹消できます。
まあ、多分いくつか矛盾点があるとは思いますが出来る限り修正および説明をしていくのでよろしければ感想欄にでも書いてください。
一応この作品はこれで完結です。
ただ、たくさんの人がこの作品にハートをくれて星を入れてくれたら、続きを書きます。
書く内容としましては器用貧乏と成長補正を司る神となった最強の主人公がイトとフースの三人で異世界をのんべんだらりと周って、時には学園生活をしたり、悪徳貴族を成敗したり、冒険者で俺TEEEEEEしたりします。
後はまあ、元の世界に戻って暴れ回ったり、他の異世界に行って無双しまくったりと。
題名を付けるならそうですね、
【 器用貧乏と成長補正を司る神が送る異世界放浪旅~やりたいことは全部やる】
とかですかね。
というわけで、よろしければ星とハートお願いします。土下座。
器用貧乏だけど成長補正で神をも殺す ダークネスソルト @yamzio
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