概要
おめでとうございます、あなたが犯人です
「自分が殺された時は、二十四時間、警察などには連絡せず、『死を見る会』のメンバーを呼ぶこと。そしてメンバーに自分の遺体を観察してもらい、議論を交わしてもらいたい」。
各々の死生観や死への想いを語り合う「死を見る会」。その創設者である森野芽々の遺書が読み上げられると、メンバーたちは彼女の遺志に従った。嘘のつけないメイドの椎菜や、臆病なオカルト研究家の霊山、死と笑いを研究する哲学者の万知など、個性的な八人は、各々の死生観を交えていたが、スケッチをしていた美大生、絵上が、森野の手の中に握られた一枚のメモを発見し、事態は動き始める。
メモには「私は後悔している」と書かれていた。森野が最期に残したダイイングメッセージとも言えるその言葉に、メンバーは興味を抱き、死の直前に彼女が何を考えていたのか
各々の死生観や死への想いを語り合う「死を見る会」。その創設者である森野芽々の遺書が読み上げられると、メンバーたちは彼女の遺志に従った。嘘のつけないメイドの椎菜や、臆病なオカルト研究家の霊山、死と笑いを研究する哲学者の万知など、個性的な八人は、各々の死生観を交えていたが、スケッチをしていた美大生、絵上が、森野の手の中に握られた一枚のメモを発見し、事態は動き始める。
メモには「私は後悔している」と書かれていた。森野が最期に残したダイイングメッセージとも言えるその言葉に、メンバーは興味を抱き、死の直前に彼女が何を考えていたのか
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!——この殺人事件の犯人は、たしかに読者である「私」でした。
TRPGを思わせるプロローグで、読者である「私」は「死を見る会」の主催者を殺しました。その白い首をナイフで切りさいたのです。
そして「死を見る会」のメンバーが主催者の「死」に対する見解を明らかにしていきます。美しい死体を横にそれぞれの死生観を語る様子は、状況を冷静に見れば狂気の沙汰です。常人と狂人の境目が緩くなるような時間でした。
やがて推理が終わっても、犯人が見つかっても、それでも「私」が犯人であるかのように思えるのです。この奇妙で不可思議な読後感をぜひ。
読み終えたら、自首——思わず物語に登場したくなりますよ。