TRPGを思わせるプロローグで、読者である「私」は「死を見る会」の主催者を殺しました。その白い首をナイフで切りさいたのです。
そして「死を見る会」のメンバーが主催者の「死」に対する見解を明らかにしていきます。美しい死体を横にそれぞれの死生観を語る様子は、状況を冷静に見れば狂気の沙汰です。常人と狂人の境目が緩くなるような時間でした。
やがて推理が終わっても、犯人が見つかっても、それでも「私」が犯人であるかのように思えるのです。この奇妙で不可思議な読後感をぜひ。
読み終えたら、自首——思わず物語に登場したくなりますよ。