七つの大罪シリーズ!

強欲の魔女さん

ここは、町はずれの一角にひっそりとある、一人の魔女と子犬が営むカフェ。

『ウィッチカフェ』

一般のお客様には見えないように魔法が掛けられており、店の前に斜めに置かれてある看板を、まっすぐに直すとお店が現れるという仕組みになっている。


ひっそりと営業しているウィッチカフェには、いろいろなお客様が訪れる。

いろいろな種族、動物、時には一般のお客様も。

仕事の合間に来る人や、ちょっとした観光、常連さんになってくださっている方も多い。

そんな方々の、ちょっとした憩いの場なのです。


さぁ、本日はどんなお客様が来てくださるのでしょうか?


カランコロン。

「いらっしゃいませ――」

「あ!サテラちゃん!おっひさ!」

「シーラさんじゃないですか!」


この人は、世界的有名な魔女。七つの大罪の一つでもある、強欲の魔女シーラさん。300年前から生きていると言われている。

強欲の魔女と言われるだけあり、知らない事や興味のある事に対しての探求心が凄まじい。


「今日はお一人ですか?」

「そうなの。他のみんなは用事があるとか何とかで私1人で来ちゃった」

「そうだったんですね!あ、こちらの席にどうぞ」

「ありがとう」


話していないときのシーラさんは、誰もが見惚れる魔女。

ただ、話始めると――


「あ、サテラちゃん。このお店の売り上げとかどう?お客さんの入り具合とか、どのメニューが人気とか、逆に人気が無いのはどれとか、あ、あとそこにいるワンちゃんの事も知りたいな!」

と、こんな感じで知りたい事があれば、突然の質問攻めが始まるのだ。


「シーラさん、その前に注文はどうしますか?」

私は咄嗟に話しを逸らし、注文を聞いた。

「あ、そうだね。ん~とねこれにする!」

「かしこまりました」


シーラさんが注文したのは、イチゴのパフェ。

たまに子供っぽい所もある。


「心の声聞こえてるよ?」

「あ……」


上位の魔女になると人の思考を読み取ることが出来るのだ。

すなわち、私が頭の中で考えていた事は、全て筒抜けだったという事だ。


私は何も考えずにイチゴパフェを作り始めた。


「お待たせしました!」

「お、美味しそう――」

プルルルル。プルルルル。プルルルル。

シーラさんのポケット入っている携帯が鳴り響く。


「もしもし――――えっ!?わかったすぐ行く!」

「だ、大丈夫ですか?」

「ごめん、急な仕事が入っちゃって……。このパフェ持って行ってもいいかな?お代はちゃんと置いていくし」

「大丈夫ですよ!」

「ありがとう!今度はゆっくりできる時に来るね!それじゃ!」


カランコロン。

シーラさんは、イチゴパフェを片手に空へと飛んで行った。


「嵐みたいな人だな」



では、本日のウィッチカフェはここまで。如何だったでしょうか?

本日のお客様は強欲の魔女シーラさん。明日はどんなお客様が来るでしょうか。

楽しみですね♪


それでは、いい夢を🌙

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る