スズメさん

ここは、町はずれの一角にひっそりとある、一人の魔女と人間の女の子が営むカフェ。

『ウィッチカフェ』

一般のお客様には見えないように魔法が掛けられており、店の前に斜めに置かれてある看板を、まっすぐに直すとお店が現れるという仕組みになっている。


ひっそりと営業しているウィッチカフェには、いろいろなお客様が訪れる。

いろいろな種族、動物、時には一般のお客様も。

仕事の合間に来る人や、ちょっとした観光、常連さんになってくださっている方も多い。

そんな方々の、ちょっとした憩いの場なのです。


さぁ、本日はどんなお客様が来てくださるのでしょうか?


チュンチュン。チュンチュン。


「はーい!」


ガチャッ。


「チュン、チュン」

「お。お客さんかな?!サテラさーん」

「ん?どうしたの?」

「スズメさんが……」


スズメさん。常連さんって程よく来てくださるわけではないけれど、たまにお店に来てくれるお客様。


「いらっしゃいませ!こちらの席へどうぞ」

「チュンチュン!」


私は、窓に近い席へスズメさんを案内する。

「ご注文どうされますか?」

「チュン、チュンチュン!」

「お米ですね。少し待っていてくださいね」


スズメさんはお米をよく食べる。

昆虫や木の実のような物も食べれるらしいが、お米が大好物らしく、毎日のようにお米を食べているらしい。


「お待たせしました、お米です。少し冷ましてあるので食べれると思います!」

「チュンチュン!」


スズメさんはお米を一粒一粒慎重に食べすすめる。

スズメからするとお米は少し大きいのか、勢いよく食べてしまうと喉に詰まり、命に関わるらしいのだ。


「チュンチュン、チュンチュン!」

「はい!今度は新潟のお米を用意しておきますね!」

「チュン!チュン、チュン!」

「え?これをですか?」


スズメさんから受け取ったのは、小さなどんぐり二つだった。


「チュン、チュン!」

「あ、いいですね!そうします!」


ペンダントにすると可愛いから是非と、スズメさんに勧められた。

今度、ペンダントにしてみようと思う!


「チュン、チュン!」

「はい!また来てください!」


バサ、バサ、バサ。


スズメさんは、空高く飛び立ち姿が見えなくなった。


「私も言葉が分かるようになれば……」

「すぐに理解できるようになるよ!」


と、本日のウィッチカフェはここまで。如何だったでしょうか?

本日のお客様はスズメさん。お米が大好きってまるで人間みたいですね!可愛いです!

さて、明日はどんなお客様が来てくださるのでしょうか!?お楽しみに!


それでは、いい夢を🌙

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る