葵ちゃんについて

水野 葵

ここは、町はずれの一角にひっそりとある、魔女のサテラさんが営むカフェ。

『ウィッチカフェ』

一般のお客様には見えないように魔法が掛けられており、店の前に斜めに置かれてある看板を、まっすぐに直すとお店が現れるという仕組みになっている。


ひっそりと営業しているウィッチカフェには、いろいろなお客様が訪れる。

いろいろな種族、動物、時には一般のお客様も。

仕事の合間に来る人や、ちょっとした観光、常連さんになってくださっている方も多い。

そんな方々の、ちょっとした憩いの場なのです。


今日は私、水野葵について少しお話していこうと思います。


私は小さい頃から料理の才能がありました。

才能と言っても、作る方の才能ではないです。料理を見て、どんな材料を使い、どんな工程で調理しているのか、一目で分かる才能です。

周りからは羨ましがられていましたが、私的には不満でした。

何故なら、料理は作れないから。


作る工程や、材料が分かっても不器用すぎて料理にならないのです。

一流のパティシエになるのは正直無理なんじゃないかって、担任の先生にも言われ続けていました。


それでも夢を諦めきれず、死ぬ気で努力をして、時間はかかるものの、料理が出来るようになりました。

その努力が実り、料理学校を何とか卒業。就職活動を始めることが出来ました。

しかし、一つの商品を作るのに何時間もの時間を要してしまう私は、必要とされず100社受けたうち、内定がもらえたのは0社。


正直、メンタルは崩壊寸前でした。そんな時、不意に通った道に見慣れない看板が斜めに倒れていたので、真っすぐに立て直したんです。

すると、目の前にカフェがいきなり現れたんです。


『ウィッチカフェ』

私が立て直した看板には、そう書かれてありました。


そして、サテラさんと出会います。

私は、恐る恐る目の前に現れたお店の中に入りました。

いつもは無いお店に、少し驚いていたからだと思います。


すると、サテラさんが元気よく接客してくれて、席まで案内してくれました。

とても素敵な人だなと思いました。

まぁ、まさか魔女だったなんて思いもしませんでしたが……。


そして私は、オレンジジュースと目についた3種のフィナンシェを注文しました。

そのフィナンシェが美味で美味で。今までに食べたフィナンシェの中でダントツの美味しさでした。


その時私は決めたんです。この人の下で働きたいと。この人の下でなら美味しいものを作れるんじゃないかと。


「私をここで働かせてください!」


私は無意識にこう言っていました。

突発的に言った事だったので、採用されるなんて思ってもいませんでしたが、優しいサテラさんは快く私を採用してくれました。


魔女になることがでしたが――


おっと、少し話過ぎましたね。今回はここまで。

次回も私の事を少し話していきたいと思っているので、皆さん是非見に来てくださいね!


では、いい夢を🌙

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