魔女だから出来ること。魔女だから出来たこと。

本日は、キタキツネさんの町を守るべく稚内へ。

そこで私は、作物を育てることになりました。

果たして上手くいくのでしょうか。


「ここが作物を育てている場所だよ。今は雪に埋もれてどこに植えたかすら分からなくなってるけどね」

「これは大変ですね。作物が育つはずもない、、」


見渡す限り雪。目の前には真っ白な世界が広がっている。



「これが何年も続けば育てるのを諦め、狩猟の方が楽だからと、そっちを選んじゃうのさ」


町長さんは、夕食の支度があるからと言いこの場を後にした。


「私に出来る事。私だから出来る事」

そんな事を呟きながら私は作業に取り掛かる。


まず初めに、何故作物が育たないか。それは雪が積もり過ぎているからだ。


雪をどかせばいいじゃないか!と思う人もいるかもしれないが、この町には高齢者の方しかいない。作物を育てるのでやっとなのだ。

除雪車を呼べばいいと思った人もいるかもしれないが、除雪車も来れない位なのだ。



じゃあ、どうするか。魔法で雪をどけるしかないのです。


「ムーブメント!」

雪で埋もれていた畑が姿を現した。


「後は、雪が積もらないようにして、気温を保てるようにすれば完成っと」


作物を育てる環境を作るのは、そこまで難しい事ではない。

雪が積もらないように対策をし、しっかり育つ環境をその空間に作ってあげればいいのだ。


『魔女だから出来る事。魔女だから出来た事』



私は町長さんのお家に手紙を残しキタキツネさんの元へと向かった。


「終わりましたよ、キタキツネさん」

「本当ですか?これで私達穏やかに暮らしていけますか?」

「はい!」


双方が何事もなく暮らしていけるのが1番いいのだ。

人間界と私たちの世界も同じ事。干渉しすぎる事は良くないのだ。


「そういえば、最初にこの町にかけていた魔法は何だったんですか?」

「それはですね、、、」



私の姿が別の人物に見え、起こりうる事に違和感を覚える事なく受け入れてしまう、という魔法である。


私たち魔女が人間界へ行くときは良く使う魔法だ。


「じゃあ、テレポートしますね!」

「はい」


私とキタキツネさんは稚内からウィッチカフェへと帰ってきた。


「なんとお礼を言えばいいか。この御恩は–––」

「いいんですよ。気にしないでください。困っていれば助けるのが当たり前です」

「でも、、、」

「じゃあ、来年もお店に遊びに来て下さい!それでチャラです!」


カランコロン。

キタキツネさんは来年もお店に来ると言い、お店を後にした。


「あ、そういえば名前聞くの忘れてたな、、、ん?」


お店の方を振り返ると1枚の手紙が置いてあった。


『今日は本当にありがとうございました。先にはなるかもしれませんがいずれ、仲間も連れてお店に遊びに行きます。 天狐てんこ 』



カランコロン。


「いらっしゃいま、、天狐さん!」

「遅くなってすみません、サテラさん!」



と本日のウィッチカフェはここまで。

無事、キタキツネの町を救うことが出来ました。

生き物は、生きる為に何かを犠牲にしなければならない時が来るかもしれません。

そうならない為にも、今を全力で生き抜くんです。


それでは皆さん良い夢をみて下さいね🌙

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ウィッチカフェ 西宮ユウ @Nisimiya_Yu

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ