小雪ちゃん(3)

ここは、町はずれの一角にひっそりとある、一人の魔女と人間の女の子が営むカフェ。

『ウィッチカフェ』

一般のお客様には見えないように魔法が掛けられており、店の前に斜めに置かれてある看板を、まっすぐに直すとお店が現れるという仕組みになっている。


ひっそりと営業しているウィッチカフェには、いろいろなお客様が訪れる。

いろいろな種族、動物、時には一般のお客様も。

仕事の合間に来る人や、ちょっとした観光、常連さんになってくださっている方も多い。

そんな方々の、ちょっとした憩いの場なのです。

本日も、前回同様小雪ちゃん編です。

ホットサンドを食べ、溶けてしまった小雪ちゃん。しかし、どこからか小雪ちゃんの声が!

その謎が今回……。


「勝手に殺さないでくれる?」


「??!」


溶けて水になりかけていた小雪ちゃんから声が聞こえてきたのだ。


「小雪ちゃん、まだ喋れるの?」

「もちろんでしょ?雪が溶けたら終わりだと思ってる?そんな事ないからね。ご飯食べる時はいつもこんな感じ。時間が経って体温が元に戻れば、姿も元に戻るの」


そんな雪だるま見た事も聞いた事もない。

でも現に今、溶けた小雪ちゃんが喋っているから本当の事なのだろう。


人間の世界の反対側。いろいろな種族や生き物がいるけれど、未だに未知な事も多いのだ。


「でも、その状態でどうやってご飯を食べるの?」

「水の中に吸収して食べるの」


「、、、、、」


相も変わらず、未知だった。



小雪ちゃんは、本当に水に溶かしながらご飯を食べすすめた。


「小雪ちゃんは、どうやってうちのお店を知ったの?」

「たまに来る天気屋さんに、ここのお店の事を聞いて、気になったから来て見たの」

「天気屋さんが!」


天気屋さんとは、世界中に天気を提供している方。お店に何度か来てはくれたものの、謎が多い方なので、来るのはいつも突然。


「天気屋さん、ここの料理がおいしいから冬になったら行ってみなさい。って言ってた。だから行くしかないなと、、、」

「そうだったんだね!ありがとうね、来てくれて」

「、、、、」


小雪ちゃんは少し黙ってしまった。と言うよりか、体の原型がない為、どういう感情になっているのか掴めないのだ。


そんな他愛もない話をしていると、いつの間にか小雪ちゃんの体は元に戻っていた。


「今日はありがとう。本当に美味しかった。又来ると思うけど、よろしくね」


最初の勢いある小雪きちゃんはどこへ行ったのやら、、


「こちらこそ。又遊びに来てね!」

「もちろん!」


カランコロン。


「ありがとうございました」


小雪ちゃんは、雪山の中へと姿を消していった。


「葵ちゃん、片づけよっか」

「はい」




と、本日のウィッチカフェはここまで。


小雪ちゃん編はここまでです!明日から通常の話に戻ります!

次のお客様はどんな方なのでしょうか!お楽しみに!

では、いい夢を🌙


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