プロゲーマーさん
ここは、町はずれの一角にひっそりとある、一人の魔女と人間の女の子が営むカフェ。
『ウィッチカフェ』
一般のお客様には見えないように魔法が掛けられており、店の前に斜めに置かれてある看板を、まっすぐに直すとお店が現れるという仕組みになっている。
ひっそりと営業しているウィッチカフェには、いろいろなお客様が訪れる。
いろいろな種族、動物、時には一般のお客様も。
仕事の合間に来る人や、ちょっとした観光、常連さんになってくださっている方も多い。
そんな方々の、ちょっとした憩いの場なのです。
さぁ、本日はどんなお客様が来てくださるのでしょうか?
カランコロン。
「いらっしゃいませ」
「…………」
「いらっしゃいませ!」
「あ、1人です」
「こ、こちらの席へどうぞ」
またまた葵ちゃんが困っている、と言うよりも少し怒っている?
「今日はどうしたの?」
「あのお客さん、ずっとゲームしてるんです!」
「ゲーム…ね……」
うちのお店に来るお客様で、ゲームをしている人は珍しい。
何故なら、私たちの世界ではゲームという物がそこまで必要視されておらず、している人は数人しかいないと言われている。
しかも、その数人はプロゲーマーと呼ばれているらしい。
「私が接客してくるね」
「はい!」
私は、席についてもまだ尚、ゲームをしているお客様に問う。
「ご注文はどうされますか?」
「コーラとポップコーンを」
「か、かしこまりました」
確かに少しイラっとしてしまう。
コーラとポップコーン。ここは映画館か!とツッコみたくなる。
まぁ、お客様なので注文されたものをしっかり提供しますが、食べている最中にまでゲームをするようだったらあの方法を使うしかありません。
「お待たせしました。コーラとポップコーンです」
「あぁ、ありがとう」
お客様は、そう言ってポップコーンを食べ始める。
ゲームをしながら。
「葵ちゃん、よく見ておいてね?あーゆうお客様はこうするの」
「テレポート!」
テレポートと言う魔法は名前の通り、対象物を思いのまま飛ばしたい場所へ飛ばすことのできる魔法。
「え、消えた……」
「映画館にテレポートさせてあげたの」
「す、すごい……」
「葵ちゃんもこれくらいすぐに出来るようになるよ!」
と、本日のウィッチカフェはここまで。如何だったでしょうか?
本日のお客様はプロゲーマーさん。あんな対応あまり良くないのかもしれないけれど、大目に見てください。私もロボットではないのであんな事もしてしまいます。
さて、明日はどんなお客様が来てくださるのでしょうか!?
それでは、いい夢を🌙
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