神様
こんばんは!先日はお休みを頂いていました。本日から通常営業ですので、皆様ごゆっくり。
ここは、町はずれの一角にひっそりとある、一人の魔女と子犬が営むカフェ。
『ウィッチカフェ』
一般のお客様には見えないように魔法が掛けられており、店の前に斜めに置かれてある看板を、まっすぐに直すとお店が現れるという仕組みになっている。
ひっそりと営業しているウィッチカフェには、いろいろなお客様が訪れる。
いろいろな種族、動物、時には一般のお客様も。
仕事の合間に来る人や、ちょっとした観光、常連さんになってくださっている方も多い。
そんな方々の、ちょっとした憩いの場なのです。
さぁ、本日はどんなお客様が来てくださるのでしょうか?
カランコロン。
「いらっしゃいませ……」
「神の席はどこかね?」
「あ、えっと……」
これは困りました。滅多に来ない迷惑なお客様です。
自らを神と言っている時点でなかなか痛いです。
「神の席はどこかと聞いているのだよ」
「あ、こちらになります……」
私は、変に絡むと後々めんどくさい事になると思い、いろいろと言いたいことを我慢して席へと案内した。
「ご注文はどうなさいますか?」
「わしと妻の口に合うであろう物を提供したまえ」
「か、かしこまりました」
早く帰ってほしい、という気持ちを抑え込み、私はキッチンへと入った。
「ここがかの有名な喫茶店か。なかなか風情がっていいのう」
「そうですわね。私はここ、好きですわ」
話を聞いている分には、悪い人ではなさそうだ。
ただ、態度は超でかい。
「お待たせしました。クリーミーチーズケーキと紅茶でございます」
「ほう!なかなかに美味しそうじゃの」
「ですわね!」
私はWGOのような機関の人なのではと思い、担当直入に聞いた。
「あの、お2人はどういった方なのですか?」
「?!」
お客様2人は、キョトンとした表情で私を見つめていた。
「さっきから言っておるじゃろ?我は最高神ゼウス。そして、わしの妻であるヘラだ」
「?!」
まさかの本物だった。
神様が私のお店に来てくれるなんて、夢のようだ。さっきまでの事をすべて謝罪したいくらいである。
「このカフェは天界でも有名なんですよ?だから足を運んでみたのです」
「あ、ありがとうございます……」
発する言葉が震えている。
「本当に美味しかった。また来させてもらうよ」
「ありがとうございます!またお待ちしています」
カランコロン。
ゼウス様とヘラ様は、天から差し込む光によって姿を消した。
では、本日のウィッチカフェはここまで。如何だったでしょうか?
本日のお客様は神様。明日はどんなお客様が来るでしょうか。
楽しみですね♪
それでは、いい夢を🌙
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