キタキツネと魔女

ここは、町はずれの一角にひっそりとある、一人の魔女と人間の女の子が営むカフェ。

『ウィッチカフェ』

一般のお客様には見えないように魔法が掛けられており、店の前に斜めに置かれてある看板を、まっすぐに直すとお店が現れるという仕組みになっている。


ひっそりと営業しているウィッチカフェには、いろいろなお客様が訪れる。

いろいろな種族、動物、時には一般のお客様も。

仕事の合間に来る人や、ちょっとした観光、常連さんになってくださっている方も多い。

そんな方々の、ちょっとした憩いの場なのです。


前回、回想でキタキツネさんがお店に来てくれました。

今回は、その続きのお話です!



「お待たせしました。鶏肉のソテーです」

「ありがとうございます」



キタキツネさんはそう言って、鶏肉のソテーを頬張って食べ始めた。


ムシャムシャと、1言も発する事なく食べ進める。


鶏肉のソテーが残り2口くらいになった時、キタキツネさんは口を開いた。



「あの、1つお願いがあるのですがよろしいですか?」

「え、あ、はい。何でしょうか」


キタキツネさんは、一段改まった言葉遣いで問いかけてきた。


「私たちの町を救ってくれませんか?」

「……………?」


私は、キタキツネさんの言っている事がすぐに理解できず、言葉を発することが出来なかった。


「救うってどういう事ですか?」

「私達キタキツネの町は数年前から人間の狩猟によって壊滅の危機にあるんです。何とか身を隠し生きながらえてきましたが、2日後に大勢の人間が狩猟に出るらしいのです。そこで、私の知人が魔女喫茶のことを教えてくれ、頼るしかないと思いやって来たのです」

「そうだったんですね。大した魔法は使えませんが、手助けさせていただきます」



『困っている人がいたら助けてあげる』

今は亡き父の教えだ。


「私のテレポートでキタキツネさんの町へ行きましょうか」

「そんな事できるんですか?」

「はい!これでも魔女なので!」



と、本日はここまで!

次回!サテラ街を救います!

と大見得を張っておきます。

皆さん、次回もお楽しみに。

良い夢を🌙



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