ホームズと名乗る人物?

ここは、町はずれの一角にひっそりとある、一人の魔女と人間の女の子が営むカフェ。

『ウィッチカフェ』

一般のお客様には見えないように魔法が掛けられており、店の前に斜めに置かれてある看板を、まっすぐに直すとお店が現れるという仕組みになっている。


ひっそりと営業しているウィッチカフェには、いろいろなお客様が訪れる。

いろいろな種族、動物、時には一般のお客様も。

仕事の合間に来る人や、ちょっとした観光、常連さんになってくださっている方も多い。

そんな方々の、ちょっとした憩いの場なのです。


さぁ、本日はどんなお客様が来てくださるのでしょうか?


カランコロン。


「いらっしゃいませ!」

「一人だけど大丈夫かね?」

「はい!こちらの席へどうぞ!」


今日は普通のお客様だったらしい。

最近変わったお客さんが多いせいか、葵ちゃんが少し不安そうに見える。


「ご注文は何にされますか?」

「君はシャーロックホームズを知っているかね?」

「?!」


葵ちゃんたちから少し距離のある私には、何を話しているのか全く聞こえなかった。

そこで私は、遠くの会話まで聞こえる魔法を使い、話を盗み聞きすることにした。


「シャーロックホームズ、ですか?」

「そう。あの世界的有名な名探偵、シャーロックホームズさ」

「ま、まぁ名前くらいなら聞いたことはあります」

「そうかね、そうかね。実を言うと、私がそのシャーロックホームズなんだよ」

「?!」


まさかのシャーロックホームズが生きている?

いや、そんな筈はない。とすると、あっちの世界のシャーロックホームズなのかもしれない。


「いい反応をしてくれる。よし、決めた。私の好物を提供してくれたまえ」


これはかなりの難題だ。


「サテラさん、シャーロックホームズの好物知ってますか?」

「いや、知らない……。調べたけど特に有力な情報は出てこなかったわ」

「「…………」」


2人してその場で固まってしまった。


「よし、これを作りましょう」

私は、心の中で何を作るか決め、作業に取り掛かった。


「葵ちゃん、これよろしく」

「はい!任せてください」


そう言って葵ちゃんは料理をホームズさんの所へと運ぶ。


「あれ?ホームズさんがいないです」

「え?」


この一瞬でホームズさんは店から姿を消していたのだ。


「どこ行ったんですかね」

「わからないけど、事件でもあったかな」

「そうかもしれませんね」


こうして、今日の営業が終了した。


と、本日のウィッチカフェはここまで。如何だったでしょうか?

本日のお客様はシャーロックホームズと名乗る方。姿を消しタホームズさんはどこへ行ってしまったのでしょうか。また来て欲しいですね。

さて、明日はどんなお客様が来てくださるのでしょうか!?


それでは、いい夢を🌙





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