通常営業!

雪だるまの小雪ちゃん

ここは、町はずれの一角にひっそりとある、一人の魔女と人間の女の子が営むカフェ。

『ウィッチカフェ』

一般のお客様には見えないように魔法が掛けられており、店の前に斜めに置かれてある看板を、まっすぐに直すとお店が現れるという仕組みになっている。


ひっそりと営業しているウィッチカフェには、いろいろなお客様が訪れる。

いろいろな種族、動物、時には一般のお客様も。

仕事の合間に来る人や、ちょっとした観光、常連さんになってくださっている方も多い。

そんな方々の、ちょっとした憩いの場なのです。

そして、季節も冬へと突入していきます。


さぁ、本日はどんなお客様が来てくださるのでしょうか?


カランコロン。


「いらっしゃいませ……?」


ん?どうしたのでしょう?葵ちゃんがお店の入り口で立ち止まったまま動きません。


「サテラさん、雪だるまがあります」

「雪だるま?」


私は、葵ちゃんの元へ駆け寄り、入り口の外を見た。

入り口前には、一体の雪だるまがあった。


「誰かが作って置きっぱなしにしていったんですかね?」

「そうかもしれないね。隅に寄せておこうか」


葵ちゃんは、雪だるまを両手で持ち、移動させようとする。

すると、その時――


「下ろしなさい!」


と言う声が聞こえてくる。


「サテラさん、今声しましたよね?」

「うん、した。でも周りには人いないけどな……」


辺りを見渡しても、人影1つ見当たらない。


すると、またしても声が聞こえてくる。


「私よ!雪だるま!雪だるまが喋ってるの!」


その言葉を聞いて、私と葵ちゃんは雪だるまを見た。


「そう、私が喋ってるの」

「え~~~~~!!」


こっちの世界で生きてきてもうすぐ20年になるけれど、喋る雪だるまを見たのは初めてだ。


「雪だるまさんは、何故ここに?」

「雪だるまじゃない!小雪ちゃんって呼んで欲しいの」

「こ、小雪ちゃん……」


なんだろう。すごく自己主張が強い気がする、この雪だるま。


「それで、なんでお店の前にいたの?小雪ちゃんは」

「なんでって、食事するために決まってるでしょ?」

「、、、、」


私と葵ちゃんは、顔を見合い、頭の上にハテナを浮かべた。


と、本日のウィッチカフェはここまで!

雪だるまが喋るなんて、ビックリしました。あ、でもこっちの世界ではいろいろな種族がいたり、話したりしているからおかしくは無いのかも?

そんな事はさておき、明日は小雪ちゃんの続きです!楽しみにしていてくださいね!


では、良い夢を🌙

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