テントウムシ

ここは、町はずれの一角にひっそりとある、一人の魔女が営むカフェ。

『ウィッチカフェ』

一般のお客様には見えないように魔法が掛けられており、店の前に斜めに置かれてある看板を、まっすぐに直すとお店が現れるという仕組みになっている。


ひっそりと営業しているウィッチカフェには、いろいろなお客様が訪れる。

いろいろな種族、動物、時には一般のお客様も。

仕事の合間に来る人や、ちょっとした観光、常連さんになってくださっている方も多い。

そんな方々の、ちょっとした憩いの場なのです。


さぁ、本日はどんなお客様が来てくださるのでしょうか?


ガチャ。

私は、テーブル近くにある窓を開けた。

「いらっしゃいませ!」

ブーン。

ピタッ。


本日のお客様は、テントウムシさんです。

時折、甘い蜜を食しに訪れます。


「いつものでいいですか?」

「…………」

「かしこまりました」

私は、あるものを取りにキッチンへ向かった。


「どうぞ」

「…………」

テントウムシさんにお出ししたのは、甘い蜜が付着した果実。

いつもこの果実を求め、お店に来てくれるのです。

一人で来るときや、二人で来るときもあります。

うちの常連さんです。


「…………」

「また来てくださいね」

ガチャ。

ブーン。

「ありがとうございました!」


テントウムシさんは、森の中へと飛んで行った。


では、本日のウィッチカフェはここまで。如何だったでしょうか?

本日のお客様はテントウムシ様。明日はどんなお客様が来るでしょうか。

楽しみですね♪


それでは、いい夢を🌙

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る