岬と陰日向

岬(みさき)日向(ひなた)は幼い頃に目の前で家族を失った。
父親と妹がどこか違う世界へ消えていくのをただ黙って見ていた母親の岬朝日との溝を埋められないまま時は流れ、高校を卒業した春。
常識外にある異世界からの来訪者が現代で暮らすための手助けを生業とする識訳師であり師匠である赤神有紗に誘われ、見習いとしての新生活が始まろうとしていた。
一緒に暮らす幽霊とそっくりの同期、記憶喪失でちょろい奇天烈少年、動物を寄せ集める被虐嗜好魔王、にゃあにゃあ鳴くのが仕事で神出鬼没な黒猫など、秋葉原を中心に岬一家と個性的な仲間達が繰り広げるコメディだったりシリアスだったりする情緒不安定異世界パニック群像劇。