概要
その人類と魔の領域を分かつ壁を『フォルザの壁』と呼ぶ。
そして空に浮かぶ三つの月の中で、
赤い月が一番前に出る月に一度の『紅月の日』と、
月が重なり、赤い月だけが見える年に一度の『真紅の夜』は、
魔の領域から大量の魔物の軍勢がアジール大陸へ押し寄せてくる。
それを食い止めるのがフォルザの壁が持つ役目であり、人類を守る最前線の戦場でもあった。
そしてフォルザの壁の外、さらに魔の領域に足を踏み入れた場所にある砦……そこを目指す荷馬車の中には、手錠をはめられた一人の青年の姿があった……。
=========《アジール戦記シリーズ、第2弾》=========
この話は《アジール戦記シリーズ》の2つ目の物語になります。
1つ目の物語
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!【王道ファンタジー好き、必読】読み応えのある重厚な世界観が魅力的!
王道ファンタジー好き、必読。
ダークな世界観が良い味出してます!
同じ砦で強制労働を課された年齢も出自もバラバラなキャラクターたちは『紅月の日』という大量の魔物が押し寄せてくるその日を乗り切るために結託しなくてはいけないのですが、それぞれが胸に抱える想いからなかなか一枚岩になることができません。しかしそれでも少しずつ、物語の中のイベントを超えていくにつれてお互いの理解が深まっていき、1つのチームとなっていきます。
戦闘に関しては全くの門外漢である主人公たちが魔物を前に動けなくなってしまったり、戦っている内に味方に逃げられて絶体絶命のピンチに陥ったりなどハラハラドキドキするポイント…続きを読む - ★★★ Excellent!!!過酷な最前線で〝兵士〟を担わされた〝囚人〟たちのサバイバル
様々な〝罪〟により帝国に捕らえられた者たち。彼らはその罪の罷免を条件に〝志願兵〟として魔物の攻め込む最前線に送られる。
主人公のガルムは兵士でも戦士でもない一般人。敵対国の人間であったという理不尽な〝罪に〟より捕らえられた彼は、送り込まれた砦にて、因縁深い相手と再会してしまい…………。
過酷な環境で、半ば捨て駒の如く兵役に就かされた罪人たちの、生き残りを懸けた戦いの物語。それは文字通りに武器を取って脅威に挑む戦いだけではありません。砦に集った志願兵同士の軋轢や衝突、思惑の読めない帝国兵たちへの不審から巻き起こる問題や争い。そんな過酷な最前線での日常が生々しく描かれています。
フ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!丁寧な筆致で丁寧な展開、送られるは魅力的な物語
第十一話まで読んだ時点でのレビューです。
世界観を共有する物語ということで「亡国の騎士とユリカゴの少女」を読んでみました。印象に残ったのは重厚さを仄かしながらはっきり感じられる繊細さ。各登場人物の心情、特にラルフの心の動きがやはり丁寧に書き連ねられています。
「辺境の歌」にもやはりその丁寧さが受け継がれていますが、変わっているのは規模感、展開の多様さ、と心情描写との比重でしょうか。しかし登場人物に感情移入できないかと問われてもそうではありません。時に苦悩があり、葛藤が見え、喜怒哀楽が確かに存在しています。
さて、今作「辺境の歌」は主人公ガルム・クランが様々な出来事に巻き込まれて「フォル…続きを読む