辺境の歌

冬野未明

《アジール大陸の情報》

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 下記の内容は、『辺境の歌』本編の中で登場する、または関連する『アジール大陸』の地名、国などのを簡略に説明したものです。

 ですからこれを読まなくても、本編を読むのには何の支障もございません。

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 ―――『フォルザの壁』


 アジール大陸の北西の地の果てにある、地平線を覆うくらい巨大で長い城壁。

 人類と魔の領域を分かつ境界線で、周期によって押し寄せてくる魔物を退しりぞくため立てられた、人類を守護する最前線。




 ―――『三つの月』


 アジール大陸の空に浮かぶ、三つの月。

 白、青、赤の色をした三つの月は、周期によって互いにその位置を変え、満ち欠けを繰り返す。

 その中でも、月に一度、赤い月が一番前に出てくる日を『紅月こうげつの日』と呼び、

 そして年に一度、三つの月が一つに重なり、赤い月だけが見えてくる日を『真紅しんくの夜』と呼ぶ。

 その赤い月が全面に出てくる日には、夜が赤色に染まり、魔の領域から魔物の軍勢がアジール大陸へ押し寄せてくる。




 ―――『レシド帝国』


 もともとはアジール大陸の北西にあった貧しい王国だったが、約100年前に起こった内乱を切っ掛けに帝政へと変わった。

 そして今のアリスタ皇帝の代となってから急激に力と領土を拡大していき、現在はアジール大陸西全域を手中に収める大陸一の強国となった。


 フォルザの壁の管理は、レシド帝国が王国の頃から請け負っていた責務だったため、現在もレシド帝国の第4師団がそこに駐屯している。




 ―――『コスタ王国』


 レシド帝国からすぐ西の、海岸沿いにあった小さな国。

 現在のレシド帝国皇帝アリスタによって、たった一週間を持たずに占領され滅びた。





 ―――『都市連合』


 コスタ王国のすぐ下の方に位置する、都市規模の小さな国々の連合体。

 いろんな商業や貿易で栄えていたが、コスタ王国占領後に破竹の勢いで攻めてきたレシド帝国によって占領、帝国領として併合される。




 ―――『エドルン地方』


 元・コスタ王国と、都市連合を合わせて、アジール大陸西側の平原と山間部を含む地域の名称。

 穀倉地帯が多く、食料の生産地としての価値が高いとのことで、レシド帝国に併合された多くの国の人々が強制移住させられ、エドルン地方の食料プラントで働かされている。




 ―――『リヒテ王国』


 長い歴史を持ち、騎士制度が発達したアジール大陸の南西に位置する国。

 その国境沿いが山脈によって遮られ、エドルン地方と行き来するためには、ごく限られているルートを通るしかなく、そのせいかアジール大陸全体とは少し異なる文化を持っている。


 アジール大陸で最強の騎士団を有していると名高い国だったが、10年にも及ぶレシド帝国との戦争の末に現在は滅びた。


 『アジール大陸戦記』シリーズ第1弾、《亡国の騎士とユリカゴの少女》の舞台。

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