【王道ファンタジー好き、必読】読み応えのある重厚な世界観が魅力的!

 王道ファンタジー好き、必読。
 ダークな世界観が良い味出してます!

 同じ砦で強制労働を課された年齢も出自もバラバラなキャラクターたちは『紅月の日』という大量の魔物が押し寄せてくるその日を乗り切るために結託しなくてはいけないのですが、それぞれが胸に抱える想いからなかなか一枚岩になることができません。しかしそれでも少しずつ、物語の中のイベントを超えていくにつれてお互いの理解が深まっていき、1つのチームとなっていきます。

 戦闘に関しては全くの門外漢である主人公たちが魔物を前に動けなくなってしまったり、戦っている内に味方に逃げられて絶体絶命のピンチに陥ったりなどハラハラドキドキするポイントが作中にたくさんあって、知らず知らずのうちに先へ先へと読んでしまうような、そんな読み手を惹きつける作品です。また、充分な世界観の説明と情景・心理描写があるこの作品は、物語の展開が直感的にわかりやすくまとまっており、読んでいてまるでストレスがありません。

 登場するキャラクターたちもそれぞれに個性が光り、特にイリスという王女のすがすがしいような判断力と行動力は見ていて気持ちがいいものです。

 世界観良し、構成良し、キャラ良しと完成度が高く読み応えバツグンの作品です。王道ファンタジー好きの方、ぜひご一読してみてはいかがでしょうか。
 

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