概要
呪われた鬼の娘と、それを支える半人半鬼の青年との愛と苦悩と戦いを描く
人食いの鬼が、人の社会にまぎれてひっそりと生きる現代。二十一歳の青年、瑞島華伝は、そんな鬼の力によって化け物になった人間、瘴鬼を狩ることをなりわいとしていた。彼もまた瘴鬼であり、それは、ルカという名の彼の恋人のためだった。彼女は人を食えない「残月」と呼ばれる呪われた鬼で、生きていくために魂生気という瘴鬼の命のエネルギーが必要だったのだ。また、彼らは瘴鬼と鬼という種族の違いから、愛し合いながらも決して触れ合うことのできない関係だった。(第23回電撃小説大賞三次選考落ち作品。エブリスタにも掲載しています)
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- ★★★ Excellent!!!切なくも美しい異種恋愛譚と一振りの刀がもたらす災禍。
喫茶店で働く主人公の美男子は、鬼によって瘴鬼にされていた。そんな彼には残月の呪いという呪いのかかった鬼の彼女がいた。主人公は彼女のために、日々、別の瘴鬼から魂を奪い、彼女に与えていた。呪われていると言っても、彼女は鬼。気を抜くと主人公は彼女に食べられてしまう。お互いに惹かれ合いながら、二人はお互いに愛撫することすらできなかった。
ある日、主人公の喫茶店の常連の女子高生の友人が、瘴鬼となる騒動が起こる。主人公はこの瘴鬼を退治するが、女子高校生の友人の彼氏は、以前亡くなったはずの主人公の弟だった。
主人公の家は、鬼を狩る一族で、特殊な刀を正統な跡継ぎの証としていた。そこに囚われてきたのが、…続きを読む