公募用あらすじ(ネタバレ注意)

   「残月の鬼のしもべ」のあらすじ


 人食いの鬼が、人の社会にまぎれてひっそりと生きる現代。二十一歳の青年、瑞島華伝は、そんな鬼の力によって化け物になった人間、瘴鬼を狩ることをなりわいとしていた。彼もまた瘴鬼であり、それは、ルカという名の彼の恋人のためだった。彼女は人を食えない「残月」と呼ばれる呪われた鬼で、生きていくために魂生気という瘴鬼の命のエネルギーが必要だったのだ。また、彼らは瘴鬼と鬼という種族の違いから、愛し合いながらも決して触れ合うことのできない関係だった。


 そんな日々の中、華伝は、瘴鬼にまつわる事件に竜薙左紋という男が関わっていることを知る。竜薙家というのは、鬼殺しの名門であり、華伝の生まれた家だったが、十一年前、ルカを助けるために、彼は彼女とそこを出奔していた。左紋は、そのとき生き別れた彼の弟だった。そして、今や鬼と同化し、人ではなくなっていた。


 やがて、華伝は左紋と対面し、彼が竜薙の風花という竜薙家に代々伝わる鬼殺しの刀を欲していることを知る。また同時に、左紋に、華伝がその遺失に深くかかわっていることを知られてしまう。


 そのときは、そこで左紋に逃げられてしまうが、刀を強く欲する彼はやがて、華伝の最大の弱みであるルカの存在を知り、彼女をさらって、竜薙の風花を華伝に要求する。華伝は激怒し、すぐに左紋を追い、彼を倒す。


 だが、彼は左紋にどめをささなかった。そして、そのせいで、左紋に化けていたライという鬼に殺されかける。ライはかつて竜薙家の者に仲間を殺されており、復讐のために左紋に化けて動いていたのだ。


 しかし、絶体絶命のその時、華伝は鬼人という伝説の存在の力に目覚め、それでライを倒す。そもそも華伝は、かつて竜薙家で極秘に行われていた鬼人研究で生み出された「失敗作」の瘴鬼だったのだ。ライからルカを救った華伝は、以後、鬼人の力によって彼女と触れ合えるようになり、よりいっそう睦まじく暮らしていく。

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残月の鬼のしもべ 真木ハヌイ @magihanui2020

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