停電となった夜の、兄妹の一幕。といって、大きな転換や展開があるわけではない、他愛無い人生の一小節に過ぎない。そして彼らに対する情報が多く提示されているわけでもない。しかしながらその雰囲気がとても良い。触れ合いながらもベタベタし過ぎず、ライクともラブともつかない距離感が、好きな人間にはたまらない短編です。