人の心を宿した孤独な古龍として産まれてしまっても、前世の人の記憶を持っている。龍の体と人の心、龍の時間と人の時間。その間の隔たりは、とても悲しい。この作者にしか描けない世界、そして、他の方には書けない傑作だと思います。
人の心を宿した孤独な古龍。心と身体の乖離からうまれる葛藤。憧れた人間の世界にヴィッチセップの居場所はあるのか。後半は切なく涙が出ました。爬虫類を描かせたら一流の作者の意欲作。生態の描き方も必見です。
ドラゴンにはほとんど縁がなかったわたしの目から、大きなウロコを取ってくれました(古龍のウロコ級)。ユニークだけれど、堂々とした切り口。こんな異世界ファンタジーならば浸りたい。
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