第31話 つらかったら「きちんと」つらいと言う事 死んだらもう取り返しがつかない
「誰かに頼らなくては状況を改善することができない」人というのはその状態になる前に
「何度も自分の出来の悪さを見せつけられて自尊心がこれ以上にない位にまでボロボロになるまで傷ついてる」事が多いのです。
その上で「誰かの助けを借りる」というのは「恥の上塗り」であり「ボロボロの自尊心をさらに傷つける行為」であり、絶対にやりたくない事なんですよ。
あるいは「自分1人では何もできないこんなゴミクズのカスのために相手の貴重な時間や手間暇を割いてまで親身に接するなんて地球資源の無駄遣いだ。死にたい」とも思っています。
そんなことをするくらいなら「人を頼ってしまった自分」を見なくていい分、死んだほうがましと思えるくらいには。
例えば自殺未遂で病院に運ばれた男性がいたんですが、彼は不景気で仕事が先細りになって借金が積み重なって
「自分が死ねば保険金が下りて妻や子供にお金を残せるし、ローンを組んで買った妻の長年の夢だった念願のマイホームも維持できる」って思ってしまったそうです。
幸い彼のケースは医者の周りの人たち(ここでは看護師)がわずかなサインを感知したおかげで発覚したんですが、もし気づかなかければ彼は死んでいたと思います。
あなたには到底信じられないかもしれませんが、人の手を介入して助けたとしても「なぜ助けたのか(=自分はあの時死ぬべきだったんだ)」と助かる前よりも余計に苦しむ人もいます。
特に家庭を背負ってるお父ちゃんとかは「俺が倒れたら家族が路頭に迷う」と思って必死に歯をくいしばって耐えてるんだろうけど「つらい時は素直につらい」って言っていいと思います。というか、言うべきです。
なぜなら「つらいと他人に言えずに死んでしまう」人が少なからずいるからです。
特に男性は「他人に弱いところは見せられない、見せてはいけない」と言われて、あるいはそう思いながら育つため(これはもう男のサガというやつで根本的な解決策はないです)
嘘の自分を演じ続けて限界を迎え、耐えきれなくなってある日突然死んでしまう、なんてことが起こりえます。
「つらい」時は素直に「つらい」って言っていいんです。むしろ積極的に言うべきです。
つらいのを我慢して、我慢して、限界を超えて我慢して心の堤防が決壊してしまい、自殺して死んでしまう事の方が残された人たちにとっては一番つらい事です。
あ、そうそう。ネット、特にSNSでは「つらい」と言わないほうが良いでしょう。
「うるせー! 俺のほうがもっとつらいんだぞ!」と苦労自慢や我慢自慢大会が始まりますので精神的に非常に悪いです。身内や親しい間の人だけにそっと伝えましょう。
重要なのは「死んでしまったらもう取り返しがつかない」事です。少なくとも現代医学では「死んでしまってもまた生き返ればいいや」だけは絶対に出来ないんですよ。
死んでしまったらそこでもうおしまいなんですよ。現代医学においては生き返ることなんて絶対に出来ないんですよ。
「男のプライド」なんて1度壊れてもまた再建できます。
失業してもハローワークに行けば失業保険があってそれでしばらくの間は食いつなげますし、他にも
・雇用保険
・障害年金
・障害者控除
・都営交通乗車証
・高額療養費制度
・自立支援医療費制度
・精神障害者保健福祉手帳
・保険料納付猶予制度
・保険料免除制度
・簡保入院給付金
・医療費控除
・生活保護
という公的機関からの補助もあります。
死ぬのはこれを全部使いきってからにした後でもいいと思います。
生きていればまだ治療して再起できる可能性があるのに、死んでしまったらもう再起できる可能性は完全に0になってしまうのですから。
失業してもまた再就職すれば良いんです。家族に迷惑をかけても後でお返しをすればいいんです。場合によっては『借りを返さずに寿命を迎えてもいい』んです。
まともな家族だったら『借りを返さずに』死んでも「あいつはしょうがない奴だったけど、どこか憎めなかったなー」なんて言って『借りを返さなかった事』に腹を立てずに納得いくものだと思ってもいいです。
なので「借りを返せない」事が死ぬよりもつらいかもしれませんが、別に返せなければ返せなくてもいいんですよ。
それがあなたの人生においてマイナスになることはないんですよ。
大事なのでもう1回言います。
プライドがズタズタに引き裂かれても立て直しは利きます。失業してもハローワークに行けば再就職はできます。
家族に迷惑をかけても後で返せばいいし、返せなくても別に構いやしません。
重要なのでもう1回言いますが「家族に借りを作っても」良いし「その借りを返せなくても」そのことで怒ったりはしないでしょう。
ですが「死んでしまった」ら「もう2度と取り返しがつかない」んです。
他の話でも何度も言ってますが「死んでしまってもまた生き返ればいいや」だけは現代医学では絶対に出来ないのですから。
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