第21話 それくらい「普通」だ。もっと鈍感になれ
「私は生きてるだけで致命的なミスを繰り返し続ける醜い生き物なんだ」と思ってるメンタルをこじらせたあなたには酷かもしれませんが告げます。
「その程度の失敗なんて誰でもやってる」と。
さらに言えばただ単に「自分の事を良い意味でも悪い意味でも特別視しすぎていているに過ぎない」と。
「あまりにも酷すぎて言葉ではとても表現しきれないほどのミスを犯してしまった自分には生きる価値なんてない。死んで詫びを入れるしかない」と思えるような大失敗は誰でもやるものであり、
「その程度で自殺してたんじゃ命が1.000.000個あっても足りない」
と言っておきます。普段は誰もそんなことを他人に言わないだけで、それくらいの大失敗はだれしも体験するものです。
実際私も詐欺師にお金を取られたことがあって、それが原因で現在もなお精神を病んでる状態が続いているのですが、普通の人というのは詐欺の1回や2回遭うものです。それが当たり前であって詐欺なんて「特殊詐欺」だけ見ても毎年2万件弱くらいはあるんですよ。
他の種類の特殊じゃない詐欺をくわえたら、詐欺の1つや2つ引っかかるというのは一般的な事です。誰しも通る道です。
「うつで身体が動かずに寝込むしかない」とまでは行かないものの、一般的に見れば十分病んでるという中途半端な身としては
「メンヘラは必要以上に人生の難易度を上げる必要はない」とだけは言っておきます。
例えばの話、朝仕事に出かける際に転んですりむいたら「もう駄目だ今日は最悪だ死ぬしかない」と思ってしまうものです。
ですがこれは自分で自分の人生の難易度を上げるだけの愚行です。
実際うつ病にかかると「ボールペンを無くした。オレはなんてダメなんだ。死ぬしかない」と思う位なので、メンヘラにはありがちですがやる必要はないかと思います。
実際私は「他人に迷惑をかける」事が死刑をもはるかに超越する程の決して許されざる重罪で、それこそ迷惑をかけた(と個人的には「思ってしまった」)母親に文字通り土下座してまで詫びを入れたんですが、
相手は「それの一体何が迷惑なの?」というような態度をとったことがありました。『「自分が思ってる」よりも世の中は自分を見ていない』事に気づいてまぁ割と楽に過ごせるようになりました。
人間というのは生きているだけで必ず誰かに迷惑をかけてしまうものです。それは誰だってそうです。
でもみんな他人にかけた迷惑を「忘れている」から普通の顔をして生きていられるわけなんです。
自分がかけた迷惑を全部記録していたらほぼ確実に狂うと思います。自分のミスやかけた迷惑を事細かに覚えていて忘れないのがむしろ異常です。
女房や子供たちが自分の思った通りに動かないストレスから酒飲んで誤魔化して、
旦那や子供たちが自分の思った通りに動かないストレスからへそくり貯めて旅行して、
父親や母親たちが自分の思った通りに動かないストレスからアイドルの追っかけでもやる。
それで迷惑とストレスの応酬をやってるうちに「そもそも人間はクソで、生きてるだけで迷惑をかけるものだから、今に始まった話じゃないや」
ってところに落ち着いて、年を重ねて怒鳴り散らす体力も気力もなくなってくるのを丸くなったとか大人になったとか言って褒めてあげる。
最終的にはもうじき死ぬってとこまで来たら、
自分がかけた迷惑は忘れて、相手がかけてきた迷惑はせっかく忘れた自分の迷惑をほじくり返されたくないから飲み込んで、
色々あったけどもうすぐ死ぬんだし良い人生だったってことにしましょうね。ってことにして人生終えるのが普通の人間なんですよ。それが普通なんですよ。
誰にも迷惑をかけない。っていうのがそもそも異常な状態なわけで人間生きてるだけで誰しもお互いに迷惑をかけあう生き物です。
もしも本当に、誰にも迷惑をかけない事が出来るのであれば余裕で「神様仏様」になれます。
そう。誰にも迷惑をかけない人がいたらその人は「神様仏様」です。人間の因果の鎖から解き放たれた存在と言っても構いません。
なので神様でも仏様でもない普通の人間は、お互い迷惑をかけあっていきましょう。と言っておきます。
ところで……賢明な読者諸兄ならお分かりかもしれません。「失敗を気にするな」と言いながら今でも失敗の悪影響で苦しんでる「あがつま ゆい」さん、あなたは自己矛盾してないか? と。
そうなんですよ。過去の失敗のせいで現在進行形で苦しんでいながら、他人に失敗を気にするなと説くのはおかしい話かと思われます。
ですがそういう失敗をしているからこそ、あなたに同じ
今回の話では私の事を見て「こうなるな」という反面教師としてくれればそれでいいと思っております。
これを読んでいる人の中で現在進行形で過去の失敗にとらわれている人を救いたい。そう願って書いています。
「自分は人生の主人公! だからボク(あるいはワタシ)は特別な存在で、何か大きなことを成し遂げなくてはいけないんだ!
なのに実際には全てにおいて平凡で何も成せないどころか息をするだけで精一杯。こんなはずじゃないのに、何で?」
って思ってるから辛いんでしょうが、その「自分は人生の主人公」って思うこと自体が既にありきたりの極みで、これっぽちも特別じゃないとは言っておきます。
その程度なら誰でも1度は思ってますよ。平凡の極みです。
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