ニーチェを愛し、支え、破壊した妹の話。
19世紀末。世界の在り方が急速に変わっていく中、ドイツでは民権運動の曙光と急進的民族主義が奇怪な融合を見せ始めていく。その激流の中で「神の死」そして「超人の出現」は厳かに宣告されたのである。
――エリーザベト・ニーチェ。あの誰もが知る哲学者ニーチェの妹。
彼女は兄の天才を誰よりも早く確信し、また誰よりも深く愛していた。
しかし彼女こそは一個の人間としてのニーチェが破滅し、虚飾と捏造の果てにナチズムの預言者として祀り上げられる運命の元凶でもあった……。
燃え盛る意志に突き動かされて生きた「妹」の半生に永劫回帰の幻想が絡みついてゆく、悪役令嬢ブラコン妹萌えラノベ。