概要
人が怖い。自分が怖い。それでも、僕は君に会いたい。
「忘れ去られる、そんなことを強いられるくらいなら」
「いっそのこと、最初から独りでいたかった」
他人の目を極度に恐れ、社交不安障害(対人恐怖症)と診断された少女・凛は、人の中に入っていくことが出来ず、家に引き篭もっていた。
家族にも、友人にも自分は必要とされていないと感じた凛はいっそのこと【独りになりたい】と願ってしまう。
『僕もだよ』
見知らぬ少年の声が凜の中でこだました瞬間から、凛の生きる世界は一変する。
見知っていたはずの街並みで、人が忽然と姿を消していた。
【誰もいない世界】で、凛の心の中に現れた少年・優は凜の「やりたいこと」をしようと言いだして。
人が怖い少女が望む世界は、【誰もいない世界】か。それとも……。
そして、見知らぬ少年の正体
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!孤独を望む、等身大の少年少女
主人公である凛は、社交不安症を患っている。他人の音や一挙手一投足に過敏になってしまうせいで、大学に行くことすらままならなくなる。
そんな中、願ってしまった。『独りになりたい』と。
そして彼女が迷いこんだのは、声だけしか聞こえない少年、優を除いた、他人のいない世界だった。
彼との深い関わりの中で、彼女はどう変化していくのか。
読んでいて、凛ちゃんの心理描写がよく刺さってきました。感情をそのまま表現する一人称で、移入しやすいです。
するりするりと読んでいくうちに世界へと惹きこまれ、気づいたら、凛ちゃんの目をとおしてじぶんもこの世界を見ているような感覚になりました。
間違いなく良作です。これを…続きを読む - ★★★ Excellent!!!世界が……あと少しだけ優しかったらいいのに……そう思わざるを得ない。
最新話読了時のレビューです。
まさに人間の心の真理をついている作品だと思いましたね。
「分かるわあ……」と思いながら読み続けてました。
人間は傷つくことを恐れている。
人と接しなければ傷つくことはない、だから独りになりたい。
でも、本当に望んでいることは別のことなんですよね。
人間って結局、誰かに愛されたい。認められたいんですよ。
でも、そのためには人と接しなければいけないんですよ。
独りでいる間は、それが叶うことはないんですよ。
その葛藤をとても上手く描けていると思いました。
そして人が傷つき壊れ始めるのは、意外と「他の人にとっては」そんなに重大ではない些細なことで、
作為不作為問わ…続きを読む