孤独を望む、等身大の少年少女

主人公である凛は、社交不安症を患っている。他人の音や一挙手一投足に過敏になってしまうせいで、大学に行くことすらままならなくなる。
そんな中、願ってしまった。『独りになりたい』と。
そして彼女が迷いこんだのは、声だけしか聞こえない少年、優を除いた、他人のいない世界だった。
彼との深い関わりの中で、彼女はどう変化していくのか。

読んでいて、凛ちゃんの心理描写がよく刺さってきました。感情をそのまま表現する一人称で、移入しやすいです。
するりするりと読んでいくうちに世界へと惹きこまれ、気づいたら、凛ちゃんの目をとおしてじぶんもこの世界を見ているような感覚になりました。

間違いなく良作です。これを見たあなた、ぜひこの世界に没入してみませんか?

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