独りになりたい少年少女
moe
プロローグ
プロローグ
『もとの世界に戻りたい?』
きっと隣に実体があれば、首を傾げて私の顔を覗き込んでいたに違いないと思うほど、優しくて、気遣いのある声が、私の中で
それは私の中から聞こえてくる声だけれど、私じゃない。
唯一私と同じことがあるとすれば、彼も【独りになりたい】と願ってしまったこと。
私たちは、お互いにお互いをよく理解していた。
二人しか存在しない、この世界で。
その片割れが投げかけてきた問いかけに、息を吸い込んで、私は答える。
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