概要
秘境にて紡がれる破調詩の物語
中華に近いようで遠い華の国、そこの官僚であった張本陶(字は宇曽)は天子より都でにわかに流行しだした破調詩の原点を探るよう、とある秘境の査察を命じられる。共に任に当たる顔路(字は由)とその地に向かった本陶は2人の詩の名手と出会う。
「太陽と月の如し」と並び称される2人の詩人と彼らを取り巻く街の住民達と触れ合うなかで、この街に秘められた物語に気付き始める。果たして彼は真実に辿り着くことができるのか。
「太陽と月の如し」と並び称される2人の詩人と彼らを取り巻く街の住民達と触れ合うなかで、この街に秘められた物語に気付き始める。果たして彼は真実に辿り着くことができるのか。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!浪漫の香り溢れる「漢柳」の虜になってみませんか?
「歌物語」というジャンルがあります。本作は何となくそういう世界を連想させますが、登場するのは「和歌」ではなく、漢詩に近い形の「漢柳」が駆使されているところが特色です。(なお、「漢柳」とは作者さまの命名になります)
私自身、漢詩の素養はほとんどないのですが、この『桃花詩記』が放つ魅力は不思議なもので、そんな私を惹き付けてしまうのです。
律という秘境めいた国を舞台に、物語はゆるやかに、けれど少し謎めきつつ進行します。時にロマンチックに、時にミステリアスに、個性的なキャラクターが織り成す『桃花詩記』を、是非多くの方に味わって欲しいな、と思うのです。