これまで異性との接触に踏み出せなかった男が運命的に出会った女性のために身内を殺してしまうのですが、私は大笑いしてしまいました。(その理由はぜひ読んで確かめていただきたい)あとがき含めて3万字以下なのに、こんなにたくさんの要素を詰め込めるものなのかと感心するほど濃い恋愛劇。恋愛のメリットとデメリットを天秤にかけるが如く、左に傾く兄と右に傾く弟を両手に携え、終始やわらかな花さんが見ていた彼らの未来。揺り動かされながらも彼らを支え、その一方で許されない行為を自分の中でどう折り合いをつけるのか、ラストの表現に含まれた意図(と葛藤)が心に刺さりました。
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