第27尾.次のステージへ

 期末テスト本番、妖狐は二条橋と対峙していた。

「やっと来たね、アリス。いや、『有栖川妖狐』!」


「……。こうやって、稲瀬先生以外との先生と戦うのは初めてかも。」


 と、妖狐が独り言をいっていたら。二条橋が、


「アリス、本気で来てよ。そうでもないと、君の体重を乗倍にして、潰すよ。」


「分かりました。でも、二条橋先生、私が本気を出す以上、先生も見せて下さいよ、私達より上のステージを。」


 さて、龍成達はと言うと、


「初めてかな、戦うのは。でも何て呼ぼうかな、『お姉ちゃん』それとも『狛江こまえ』先輩?」


「密狸、今は二人っきりだから、『お姉ちゃん』でいいよ……。」


「……。面倒臭いのが相手になったな、麒田生徒会長さんよぉ。」


「ほぅ、私の相手は龍成か……。本気で来い。歓迎してやる。」


 一方、妖狐はと言うと


「アリス、君達には教えたかも知れないが、僕達actorには『先天性』と『後天性』があることを。」


「……、『センテンセイ』と『コウテンセイ』?」


「アリス、君はきちんと授業を受けているのか、本当に。まぁいいや、もう一度言うけど、アリス、君達のような『妖怪』や『半人半妖』等、先祖から受け継いだactorを『先天性』と言い、僕らの様な一般人からある日を境に急に『actマン』からactを授かるactorを『後天性』と言うんだ。分かったかい、アリス。いい復習になっただろう。」


「んー、だいたい。そういえば、先生のact

 発現はいつですか?」


「僕かい、僕は中学、高校の頃だったからな。アリス、少し古い話になるけどいいかな?」


「構わないですよ。」


「じゃあ、話すよ。あれは、僕が学生の頃だった。」


 ー回想ー


「はぁー、講義面倒だなー。」


「おい、重也!今、言ったことを言ってみろ!」


「はいはい、……。っつ!」


「おい、重也!大丈夫か、重也!

 しげ……。」


(あれ?急に意、……識が。)


『力を与える、その力は自身の鏡だと言うのを忘れるな。』


「……、ここは空白の部屋。と言うことは、俺もactorか。さて、actの内容は、」


「――と言うことだ、アリス。さて、アリス君が見たがっている、actorとしてのステージ2の世界を見せてあげるよ。

 その名は、『actress2』。

 さぁ、行こうか『actress2』の世界へ。」

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