第8尾有栖川妖狐と火薬の手(アーリー・ハンド・アーミー)
とある日の朝、妖狐は抜刀の練習をしていた。
「…ダメね、もっと速く抜かないと。」
「おーい、妖狐もうそろそろ、学校に行かないと遅れるぞ! 」
「はーい、今行きます! さて、続きは戻って来てからだね。」
妖狐は朝食を食べ、学校へと向かった。その、登校の道中にて、
「妖狐、少し汗をかいているけど、走っているのか? 」
「んっ、ちょっと抜刀術の練習を最近しているけど、どうしたの? 」
「抜刀術ですか? 何故、やろうと思ったのですか? 」
「んー、それは、私の師匠がこの時期、言いそうになるからそれでかな? 」
「そうですか。」
「おい、二人とも早く来い!学校に遅れるぞ! 」
「「はーい! 」」
そして、今日も授業が終わり、掃除をしようとした、掃除の時間の始まりの時に一人だけいなかった。
「そう言えば、『
「俺は知らん、爆の奴は何かあんのか?」
「私、さがしてくる。」
~10分後~
「見つけて捕まえて来たよ。ほら、こっち来なさい。」
「何だよ、アリス!何故こうなったか、経緯を…」
「悪いけど用はあとにして、賭けをしない?」
「賭けだと、面白そうだな。その話、乗っ
た。」
「私が勝ったら爆、あんたの秘密を話してもらうよ。あんたが勝った私が何か奢るから。どう、悪い話しじゃないよね。」
「面白い、やってやろうじゃねぇかコノヤロウ! 」
そして、放課後になり、二人が対決することになった。
「…さて、実戦でやるのみか。」
「学年一位様の実力、お手並み拝見だな。」
妖狐はいきなり、爆に対して襲い掛かって来た。『血漆』を当てに掛かったが爆は石を投げた。そこら辺の小石投げると同時に指をパチンと鳴らした。その瞬間投げた小石が爆発した。そう、爆の能力は手で触れた範囲の物質を爆弾に変え、『爆』自身の発する音で爆発する。この能力を『火薬の手』(アーリーハンドアーミー)と呼ぶ。
一方、妖狐は、ダメージも何も無いと言うか分霊で、攻撃をかわし、様子を見ていた。
二人共、様子見の初動である。お互いに牽制していて、二人は次の戦略を練っている。
「どうした、妖狐そんな動きだと、俺を倒せないぞ! (…あいつどこにいるのだろう。)」
そう、思った爆に妖狐が攻撃した。爆発した煙の中から妖狐が出てきて、
「『剣撃剣舞・篠竹月』!! 」
が、爆はそれをかわし、妖狐の『血漆』に触れた瞬間、手が切り傷だらけになった。
「おい、妖狐、この刀は何だよ、手から切り傷が…。」
「悪いけど、妖怪狐が作る刀にはセーフティーロック(呪い)が掛かっているの。妖怪狐の一族のみしか扱えないようにしているの。一族以外の人が扱ったら何かしらの『痛み』が来るからね。」
爆は煙の中から出て走り出した。そして、広いグラウンドへと、それを妖狐は追い掛けた。そしてってのグラウンドに妖狐が着いた頃には砂が空中に撒かれている。
そして、
「今から使うこれは被害大きいからあまり出来ないからな。いくぞ!」
爆の手はボロボロになっているので歯でクラウチングで音を発し、大爆発が起きた。所謂、粉塵爆発である。
「この威力で食らったら…。」
「「ひとたまりもない!! 」」
「でしょ。爆さんよ。」
妖狐は危機を察知し、内包能力である、『未来予知』でかわした。
「悪いけどこれで終わらせる。いくよ…。」
妖狐の姿勢は低く、クラウチングスタートのような格好で抜刀の構えをし、
「渡月流抜刀術・剣撃剣舞・『孤月』!! 」
その、瞬発力で出されたスピードと妖狐の抜刀は、まさに孤を描く三日月の様だった。
そして、保健室
「と言う訳で爆、一体なにをしていたんだ。」
「実は、今日は予約した本を取りに行こうと…。」
「あんまり、私情を出さないの、あとそれは建前で他の理由があるのでしょ、爆。」
「…妖狐、お前は『里見』の
「…そんな、理由なのね。引き止めて悪かったね、治癒術かけるから早くいきなさい。」
「悪いな、妖狐…。」
そして、後日の登校道中
「もっと、突きの速度を速く…。」
と妖狐が独り言を言っていると龍成が合流して、
「妖狐、また汗をかいているけどまた抜刀の練習か?」
「いんや、覚えている技の復習だよ。『篠竹月』のことを考えていたの」
と、平和な妖狐の日常がとある日を境に少し変わる。
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