第4尾狐の家族と三代目

 七月下旬、妖狐は母、襟狐の住むアパートに戻って来た。

 有栖川襟狐、漫画家で月刊誌で作品を連載している。その雑誌では結構人気がありファンも多い。

 そして、その手伝いをしているのが有栖川比狼ありすがわひろ、妖狐の兄でアシスタント兼雑用係として働いている。ちなみにシスコンであり、妹である妖狐が好きで、二人から気持ち悪がられている。

 妖狐は四人家族であるが、父親は冒険をして、世界中を旅している。母、兄は漫画を描いている。では、どこで暮らしているのかと言うと龍成の家族に世話になっている。

 そんな妖狐も、大型の連休には、二人の住むアパートに戻る事もある。

 さて、戻って来た妖狐は二人の住むアパートの部屋に戻ると二人は疲れきっていた。

「…ねぇ、母さん、兄ちゃん一体何徹したの? 」

「私は三徹したかな…。私これから寝るから、ご飯宜しく。」

「おお、妹よ。帰ったか。俺は五徹してまだ仕事が残っているから、仮眠する。あまり、騒がしくしないでくれよ。」

 そう言うと二人はリビングへと向かってしまった。

そして、三日経った。二人は仕事も終わり、顔色も良くなった。

「さて、今日から私の実家に泊りに帰るぞ。」

「マジであそこに行くの?何もないのに。」

「そう言えば妖狐、イナホの様子どうだ?」

「イナホ?…あぁ、稲瀬先生のこと、あの人は、…」

と喋っているうちに乗車し一時間ぐらいかけて襟狐の実家に着いた。

「さて、着いたからには今日から裏にある滝のところで修行してこい。いいな。」

「えっ、私学校で学年一位だよ。」

「それだと目標が低い、だから力を付けて上の学年を倒すことや、全国の強いやつ倒す勢いがないと駄目だ。と言うわけで今すぐに行け。」

そう言われて、滝の修行場所に向かった。そして、ある人物と遭遇した。

「久しいのう、いつぶりだろう…妖狐。」

「えっ。三代目様、何故ここにいるのですか?」

 三代目と呼ばれた狐耳の人物は、妖怪狐の一族をまとめあげている当主である。名前は『泡狐(うたこ)』で、泡に関するactorであり、相当強い。妖狐が倒すことができない人物の一人である。

「えっと…、先代様が狐の里の方に用事があって先代様が滞在して、私は追い出されて今に至る。あ、後三代目じゃなくて…。」

 と、妖狐は話半分に聞きながら、修行していた。

 そして、帰る日。

「襟狐よ、妖狐を頼むぞ。」

「分かっています。導狐さんとやっていきます。」

 そして、アパートに戻り、数日後妖狐は『アメイズ』に戻って来た。

 8月下旬また学校が始まるが、また非日常の世界へ…。

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