第35尾.次鋒対決、操vs碧囲
ぐっと指抜きグローブを着けるのは、
「先生、密狸の仇を取って来ます。」
操である。
前回の粗筋として、県大会に来た那騎袖高校
選抜チーム。
試合を勝ち進み、決勝まで来たが先鋒の戦いで
黒星スタートをしてしまった。
次鋒である、操に回ったが果たして……。
「頼んだ、操!」
〝次鋒の人は出て来て下さい。〟
「では、行きます。」
そう言った操は舞台へ上がった。
「あれ~、お仲間さん大丈夫? ごめんね~、
うちの素美が盛大にやっちゃって~。」
と煽っている人物は、
「うるさい。『
私のact『
「ほう、やれるものならやってみなさい。
でも、あたいのact『
そして、全国の切符はあたい達『
さて、その言い合いに審判が
「両者前へ」
と、言い即座に
「開始ィ!」
碧囲、操の両者は同時に攻撃を仕掛ける。
場面はベンチの稲瀬達に変わる。
「稲瀬先生、そう言えばだけど操って何故、
眼帯をしているのですか?
視力が悪いとかじゃあないだろうし……。」
「ん、あれか? あれはだな、ある力を封印
しているのだよ。」
と、龍成の質問に答える稲瀬。
「もう少し掘り下げるとだな、操が豹変した
のはよく見るだろう、龍成?」
「そう言えば、確かに『態度』や『気質』が
変わるのは多々ありますね。
ん? それとどういう関係が、先生?」
「操は二つの魂を持っているのだよ。」
『ッ!?』
と気絶している密狸とここにいない妖狐を除く
者は驚いた。
「まぁ、所謂〝二重人格〟だな。」
「ちょい待ち、先生。
この理由で豹変するのはわかったが、その
別人格は何者だ?」
「彼女は、
『マリーブラッド=ラグナス=ハーヴェスト』、〝真祖吸血鬼〟で、操の〝祖先〟だ。」
「……、そうか。
俺はこれ以上は聞かない。
鵺、天羅はどうする?」
「私はどうせ後々、分かるから龍成と同意見
だね。」
「私は妖狐に聞いてみる。
って、そう言えば妖狐はどうしたのですか?」
「
じきに戻る筈だ。
それよりも、操の試合を見ろ。」
操の試合を見ると〝いつもの調子〟だったら、
ものの数秒でやられているのだが……、
「……、(あれ? いつもだったらやられて
いるのに、今回は違うッ。)」
「どうだ龍成、
使える様になったんだ。」
「成る程な。」
さて、試合の度合はと言うと
「クッ、何でこんなに強いのさ、あたいだってこんなに修行したのに!」
「……ヴァンプス、『
と、操の
掛かるが、
「『
と清瀬が持つ本から光が出て、
actが発動するだが、
「操作解除。」
と人形から念糸を外し、そして
「念糸ッ!」
で再び操られる様にする。
「クッ、全国へ行くのはこの冷泉だぁ!」
と、清瀬は必死の抵抗をするが、
「……。悪いけど、これで終わりだよ。
我が歌は亡者の魂を鎮める曲!
その音色により、全ての者はその魂に
導かれる!
奏でろ、『
その抵抗も虚しく、操の『鎮魂歌』によって
散っていく……。
「操、よくやった。これでイーブンに戻せた。後は……。」
「ふぅ、準備完了。さて、もう私の出番かな、先生?」
「ジャストタイミング、もう試合だ。
思い切りやってこい、妖狐!」
「了解!」
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