第17尾妖狐と黒を支配せし雀

 さて、妖狐と泡狐の対決から三日経った。

「妖狐の秘密」は、1ーCに知れ渡ってしまった。だが、妖狐は、まだ隠してありそうと思い、襟狐のところへと、行き話をしようとした。

「母さん、私のことに関してまだ、何か隠しているでしょ! 」

「…いや、何も。」

「母さん、嘘ついても私、読心術持っているから、目を逸らしたって無駄だから。」

「…反省してまーす。」

「母さん! いい加減にしてくれない。早く話して、ハリーアップ! ただし、白状すれば、マンガのネタの話に付き合ってあげる。」

「まじで! では、」

「姉さん。」

「…分かって、いるよ。狐袖。」

「と言う訳だから、妖狐、ここは引きなさい。どうしてもって言うなら私が、相手になるわよ。」

「いいでしょう。やりますよ、私はいけるところまでいきます。だから、戦いましょう、狐袖さん。」

「そう、後悔しても知ら、あら? 急に暗く…ん、今、何者かが通っていった気がした、って妖狐がいない。さっきの人物が拐っていったのかな。まぁ、何とか妖狐の尋問から逃げられたわね。」


 一方、妖狐は近所の公園にいた。

「ん、やっと見えた。ってここは公園? 

 で、何の用かな『夜佐見雀美よさみすずみ』ちゃん。」

「何って、お前の秘密を、って何怒ってんだ、アリス。」

「いや、呆れているのよ。よく、あのタイミングで、拐えるなー、って思っただけよ。

 せっかく話聞けるのに…。」

 と、妖狐はブツブツ言うのをよそに、雀美は妖狐に攻撃した。が、妖狐はそれを見えていたかのように、止められた。

「げっ、止められた。…でも、これであんたの視界は見えなくなる。」

 そう、触れてしまった妖狐は、雀美のact「黒を支配せし雀(ダークフェザールーラー)」で

 視界が一時的にブラックアウトしているのである。

「奪われたのは、視界だけかな? あとは…。」

 そう言って妖狐は鼻をヒクヒクさせて、嗅覚、感覚の確認して、

「変化なし、っと。じゃあ、いきますか、来て、『鏡花水月・真打』! …そこかな、

『穿空』! 」

 空気を穿つ刃が、雀美を捉える。

「(げっ、やば! )」

 そう、思った雀美は雀の姿になった。

「(…姿を変えた。小型の鳥、雀がいる。多分この雀は、雀美ちゃんかな。流石、『ヨスズメの一族』だね。でも、逃げられると思わないでね。)」

『ヨスズメの一族』とは、触れた人物の視覚を奪い、闇を操る力を持ち、雀に変化できる種族である。

「よし、逃げ切った。…えっ? な、何で

 こいつは私の場所が分かるんだよ! 」

「悪いけど、私は気と空気の流れ、そして、生体電気で分かるから。大人しくしなさい! 」

「やだよ、そんなことを言って、言う事バカは、どこにいるんだよ!」

 妖狐が襲いかかり『鏡花水月・真打』で攻撃したが、雀美は闇でその攻撃を防いだ。

「…やっと見えるようになった。さて、私を弄んだ罪、償ってもらうからね。

 夜佐見雀美ちゃん。」

 その表情かお相手に恐怖を覚えさせるような感覚に陥った。

 そう、雀美は恐怖した。妖狐の顔を見て恐怖した。その笑いは「ニチャ…」と言う感じの顔であり、恐怖を感じのする笑い顔であった。

「どうしたの? そんな顔して、ほら早く来なさい。夜佐見雀美ちゃん。」

「や、止めろ! 妖狐、悪かっただから、これ以上近づくな…。と言うと思ったかバカめ!

 闇に喰われて終わりだ。『黒い空渦(ブラックホール)』。」

「…あなたがそんなのだなんて、がっかりだよ。じゃあ、見せてあげる、狐の力を、恐怖を刻みこんであげる。」

 そう、言った妖狐は『鏡花水月・真打』をすっと出し、そして。

「地獄はないよ、あるのは虚無だけ。」

 と言って、『剣撃剣舞・一騎当千』を繰り出し、この攻撃が、終わる頃雀美はボロボロに

 なり倒れると同時に、

「これが狐の力。」

 と、言い残し、夜の帳へと消えた。

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