第30尾.裏メニューと自身の戦い

「さて、お前らには、『裏メニュー』をやってもらう。」


稲瀬は呼び寄せた四人にこう告げた。


そして、龍成が


「で、内容は?」


急かす様に質問をした。


稲瀬はこう答える。


「落ち着け、龍成。このメニューは、妖狐がいないと成り立たん。」


「えっ? 何で私が?」


「それを今から説明する。

まず、私の分霊術だと、力の加減がしにくく

同調シンクロだと、お前らの修行の意味がない。」


そう言った後、稲瀬はニヤッとしながら、こう言い続ける。


「だから、能力ちから。」


「えっ? 私、まだこの子達と同レベル?」


「そうだ、このメニューは全員レベルを上げる為の修行だ。」


そう言った、稲瀬は妖狐に近づき、耳を当てて


「妖狐、お前はあいつらのactを同調して、貰う。それを分霊して、分霊があいつらと組み手すると言う寸法だ。」


と言った。


「お前ら、妖狐と組み手をしろ。

そうだな、まずは『操』お前からだ。二人共、位置に付けッ!」


二人は位置に付き、稲瀬の「はじめッ!」の掛け声と共に攻撃をする。


操は、大きなアタッシュケースから人形を「」に接続して、アタッシュケースから出した。


「来て、『ヴァンプス』!」


その人形は男性位の大きさで、マントを纏い、吸血鬼を象った姿をしている。



同調シンクロ、act:『人形操作ドールパーティー』……。」


そう呟き、そして……、


「来て、『ヴァーミリオン』!」


妖狐もアタッシュケースから人形を出すがどこにも、その姿は今はない。


操は頭に「?」を出すが、そんなのお構い無しに妖狐に攻撃を仕掛けるが、何処からともなく、


「ババババババババババッ」


と、機関銃の音がする。


操は気付いた、


「(……まさか、空!)アリス、あなた人形は……。」


「悪いね、操ちゃん。私の人形は遠~中距離の攻撃が主だから、相性が悪いのよ。」


「いや、そうでなくちゃあ、修行じゃないよ。行くよ『ヴァンプス』!『狂詩曲ラプソディー』!」


そこから一時間、操は妖狐と組み手をした。

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