全国actor選抜大会編

第29尾.新学期と新たなる予兆

私達は期末テストを合格し、無事二年生へと進級した。


春休みが終わり始業式が始まった。


「そう言えば、妖狐。うちの校長こういう行事でないよな。」


「まぁ、忙しいからね。龍成。」


そう、私の学校の校長はあまり出て来ない。

と言うより、顔を出さない謎の多い人(?)である。


さて、長い始業式も終わり、クラス分けである。


「さて、今年は誰かな? ……、ありゃ。

操ちゃんと魎鬼かー。」


「あれ、アリスと同じクラスなのね。

よろしく、アリス。」


「うん、よろしく。操ちゃん。」


生徒達は自分のクラスの教室に入り、担任の先生の発表を待っていた。


「うぃーす。2-Aの担任は私『坂田 美銅みどう』だ。」


そう言って出て来たのは少し大柄な女性だった、彼女は「坂田美銅」。鬼であり、この学校の体育教師である。


2-Aの生徒の自己紹介が終わり、ホームルームをして、放課後になるが、ある生徒「妖狐」

、「龍成」、「密狸」、「鵺」、「天羅」、

「操」の六人が呼ばれる。


「で、話って何ですか、稲瀬先生。」


「うむ、喜べactorの全国選抜大会の選手に

選ばれた。」


「マジか、先生!」


「マジだ。そこでお前達に修行をしてもらう。ちなみに保護者には伝えてある。5月の中旬が本番だ。

時間がないから早速、修行の場所へ。」


そう言われて妖狐達は、稲瀬の車に乗り、修行の場所へ。


「えっと、先生……。ここって。」


「妖狐、察しがいいな。そうだ、テストで使われたあのドームだ。」


ドームに着いた6人、妖狐がドームの中に入るや否や急に止まり、


「……先生、これはどういうことですか?

何故、地雷が地中に埋まっているのですか?」


「やはり、妖狐がいると話が早いな。

今回の修行は『地雷避け』だ。

そして、今回の課題は『actを使うな』だ。

己の勘だけで回避せよ。

ガンバレ。

ちなみに、地雷はペイントを使用しているから安心しろ。」


「安心できるか!ったく、何考えているんだ。あの狐教師は……。」


「何か言ったかな、龍成クゥン。」


「イイエナニモ。(……はぐらかすか。)」


「そうか、それならいいんだが。」


(……アッブネー。)


「あ、それと龍成。」


「んー、なんすか?」


「後で妖狐と一緒に裏メニューな☆」


「やっぱり、バレてたー!」


各々は地雷が設置してある、広いフィールドで待っていた。


『さて、お前らちゃんと地雷を避けろよ~。』


とスピーカーから稲瀬の声が聞こえる。


『「よーい、ドン」と言ったら行くんだぞ~。』


「先生~……。妖狐のヤツが先行っちまったぞ~。」


『えっ? マジか! あ、本当だまぁ、いいや、お前ら行け!』


「まぁ、あの人のことだから地雷を壊すなとか言ってなかったから、この方法を使うけどな。」


そう言って龍成は、木製ナイフを出して、匍匐ほふくした。


一方、モニタールームでは、


「あ、龍成のヤツやりやがったなー、後でメニュー量二倍だな。

で、妖狐のヤツは……。やはりか、『あの境地』に近づいている。

やはり妖狐は違うな。」


「どうだ、イナホ。あいつらの調子は?」


「美銅さん!今はアイツら特訓中です。」


「そうか、じゃあガンバレ、イナホ。」


「はい!」


一方、妖狐達は、


ドーン……。  ドーン……。


「はぁ、はぁ、これで大体やったかな?」


「距離からして、こっちですね。」


「おいおい、先生は私の掌のこと知っているのかなぁ?」


「ひー、わかんないからテキトーに進んでいるのかな?」


「こっち、ここはあっちで……。」


「あー、この方法、楽だわー。」


そして数時間後、妖狐達は稲瀬のところに戻って来た。


「よく、戻って来た! そして、お前ら、裏メニューをするヤツを発表する。

妖狐、お前はこれで足りるか?」


「いんや、むしろ足りないぐらいだよ。」


「龍成、メニュー量二倍な。」


「うっそだろう!」


「密狸、まず体力作りからな。」


「えっ?」


「操、お前も密狸と同じ理由な。」


「いやー!」


「と言うことで、呼ばれた4人は後で私のところに来い。」


「了解。」


「……はい。」


「ふぁ~い……。」


「分かりました……。」


そう言った4人。残った二人は、


「私自主トレしようかな?」


「回転の復習でもしようかな?」


稲瀬の裏メニューとは?

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