第1尾狐の出会いと人形少女

 ――力とは誰しも持っているもの、その力は様々「才能としての力」、「物理などのエネルギーの力」、「目には見えない超常的な力」、「者達が起こす霊的な力」。そして、その力が能力として分かるようになった。そんな時代の物語。――


 突然だが九尾の狐と言ったら何が思い付くかな?玉藻の前、妲己、殺生石等々。で、そんな九尾の狐の血を引き受け継ぐ少女の物語が始まるのであった。


 ある年の7月の新聞にこんな記事が掲載されていた、

「ド田舎中学の少女、日本一に輝く! 」

 と日本中の新聞の学生スポーツ欄にデカデカと書かれていた。

 そして、その少女の名前は――アリスとでも言っておこう。


 そして翌年の春、アリスが地元の有名な高校に入学したその高校は――、「那騎袖なきそで高校」。この高校は能力者、もとい何かを「動かす」、「働く」の英語である、「act」を使い「actor」と呼ぶのが主流であり常識である。そして、そのactorの研究をしながら勉強ができるのがの「那騎袖高校」である。

 そんな那騎袖高校に入学した少女が一人、名前は「有栖川妖狐ありすがわようこ」小中学は友達から「アリス」と呼ばれていた。

「やっと着いた。長い坂を上るのキツかった死ぬかと思ったよ……。」

 この少女は、「有栖川妖狐」外見の特徴は、まず、髪である。ロングヘアーであり、その髪はまるで、狐の様な髪色であり、後ろは三分一ぐらい白い。髪の長さは、腰まである。揉み上げの髪は半分黒があり、正面から見ると横に髪がピョコンとはねている。少しクリッとした目で、瞳は赤、actを使うと、黄色い瞳になる。

「あの姿はどこかで見覚えが、先輩がよく連れていて、歳を取ると……。」

 この女性は稲瀬荷穂いなせかほ。この、那騎袖高校の教師であり、いつもポニーテールをしている。金髪の教師である。

「ん、あの人かなお母さんが

 言ってた人って。」

「「えーっと」」

「あなたが」

「確か名前は」

「稲瀬、稲瀬荷穂さんですね。」

「妖狐だったかな。」

 と、二人同時だったので一応は聞き取れたがどっちが話し掛ければいいのか考えとき、

「おはようございます先生! 」

 と一人の生徒が稲瀬に声を掛けたので、

「おはよう。えっと確かに私は稲瀬荷穂だ。もう一度聞くが先輩……、いや、有栖川襟狐ありすがわえりこの娘、有栖川妖狐でいいんだよね。」

「はい。でも何故にフルネームですか先生?」

「それは、これから先辛く楽しい学生生活を送る為に私からの応援でもあり、皮肉でもある。だからテストや行事は色々と気を付けろよ。妖狐いや、アリス。でも、お前さんなら出来るはずそんな気がする。では、入学式で会おう、アリス。」

 入学式が終わりクラス割り当てでアリスは1ーCに割り当てられた。

「…… 一人かな? 知ってる人は、っと龍成たつなりがいた、みっちゃんはBでぬえちゃんはAか、良かった知ってる人がいて。」

 と、一人事を言っていたら後ろから「アリス」と呼ぶ声がしたので、振り返ると。

「あ、天羅てんらちゃん、今年は同じクラスだね、同じだから頑張ろうね。」

「そうだなアリス、でも今年のテストはお前さんに負けないからな。」

 声の主は「貝塚天羅」、アリスとは中学以来の友達であり回転に関するactorである。

 特徴は、青く長い髪で、貝をあしらったピン止めをしている。

 さて、今日は、クラスの初の顔合わせと担任の紹介があった1ーCの担任は稲瀬荷穂であった。そして、放課後になりアリス、龍成、密狸みつり、鵺の四人はアリスのバイト先の喫茶店「アメイズ」で休んでいる。

「妖狐、今日は早いね、そう言えば入学式って言ってたけ?あと、三人共注文しないと無しになるよ。」

 この人物は喫茶店「アメイズ」の店主、導狐みちこ。アリスにとって姉のような存在の人物で黒髪ロングヘアーのストレートが特徴である。

「俺、ストロベリーパフェとウインナーコーヒーで。」

「私は抹茶サンデーにローズティーで。」

「密狸と同じで」

 さて、ここから数日話を進める。学校にある噂が広まっている、それは「ひとりかくれんぼ」と言うものだ。

「妖狐、悪いが、ブラッド=エレーナ=みさお=ハーヴェストが来てないから配布物を家に運んでくれないか住所は分かるだろう。」

「いいですよ。今日は先生、会議で行けないのですよね。」

「つまりはそう言うことだ。頼んだぞアリス。」

 そう、荷穂に頼まれたアリスは操の家に行ったが着いた時、奇妙な感覚に襲われた。アリスはもらった物を靴棚の上に置いて、奇妙な光景を見た。動かない人形が刃物を持ち歩いて徘徊していた。そして、その後ろに少女が尾行していた。

みさおちゃん」とアリスが小声で言った、その時人形がゆっくり近づいて来る。それをアリスは気の感覚で分かった。

「(……あの人形、いや憑依しているアレはどれぐらいの強さだろう、調べる必要がありそう。)我が呼び声に応えよ『妖刀・血漆ちうるし』顕現せりて我が力となれ!」

 そう言うとどこからともなく焔の模様を鞘、柄に拵えた一振りの刀が出てきた。

「ミィツケタァ……。」

「っ! 」

「やれやれ、今の宿主は何を考えているのやら……。」

 そう言った雰囲気の違う操は人形の攻撃をかわしながらアリスの方に来た。

「お前さんが『みさお』の言ったくだんの狐だな。まぁ今はじっくり話している余裕はない、さっさと呪われた人形を片付けないとな。」

「……みさおちゃんじゃない?雰囲気が違うしあなた誰? 」

「そう言うば『この魂』こと『マリーブラッド=ラグナス=ハーヴェスト』のことは会っていなかったわね。私のことはマリーかラグナスでいいわよ。」

「……『ハーヴェスト卿』ですね。」

「……何故それを知っている狐。」

「それは、私の先祖様が噂を聞いてきますから。」

「……そうか、では呪われた人形の処理を任せよう。」

「それはそうですがみさおちゃんの魂をこっち(肉体)に戻して下さいね。一応やることかあるので。」

「……ちゃん、みさおちゃん」

「あれ、また私魂が、って人形がこっち

 来てる!」

みさおちゃん、落ち着いて。

 私が人形を引きけつけるから、みさおちゃんは塩水と燃やす準備をしてくれない。」

「分かった。」

 二人は別々に分かれた。

「さて、そこの悪霊よ、

 私を楽しめてくれるかな?」

 人形が刃物をアリスに向かって全速全身したがアリスの抜刀術『弧月』によって一掃された。

「ダメね。そんな付け焼き刃な攻撃じゃあ、

 私の足元に届かない。」

 その後、人形は無事に浄化し燃やされた。

 アリスによって「ひとりかくれんぼ」は

 終わった。

 さて、アリスとみさおの顔合わせの話をしよう。

 出会いのきっかけは入学式から三日ぐらい後のことである。

「文芸部はどこにあるのかな。

 あ、あの人に聞いてみよう。」

 そう言う少女は、

 ブラッド=エレーナ=みさお=ハーヴェスト、特徴は左にある眼帯とアホ毛である。

 そう思った操は近くの人物に文芸部の場所を聞き出そうとした。

「すみません、

 文芸部の場所はどこですか? 」

「文芸部の場所? 

 ごめんなさい、私も場所分からないの。

 そう言えばあなた私と同じ一年かな? 

 私は有栖川妖狐、気軽に『アリス』

 でいいよ。」

「私はブラッド=エレーナ=みさお=ハーヴェスト。長いから『エレーナ』か『みさお』でいいよ。」

 その後、二人は友達と呼べるまで仲良くなった。

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