七つの大罪編

第19尾.暗殺部隊と新たなる敵

「母様、母様、誰ですか、この仮面の人達は? 」

「ん、妖狐、こいつらか、こいつらは、

 闇の仕事人、『忍狐暗殺部隊』。通称『暗隊』だ。おい、妖狐、今日は特別だ、この暗隊に

 質問していいぞ。」

「ねー、お姉さん達、何で狐のお面つけてるのー? 」

「おーい、お前達、我が娘が質問しているのだ。早う答えよ。」

「でも、泡狐様……」

「いいから、早う!」

「はっ、では、私が、姫様これはあまり人に見られないようにしているのです。」

「あっ、でも、これは任務の時だけで、今は見られても大丈夫です。」

「じゃあ、今話かけたお姉さん、お面はずして。」

「では……。」

 そう言った、狐の女性は狐の面を外した。

 その顔は、整った顔立ちで、美人であり長く腰まである金髪が露になる。

「すごーい。お姉さん綺麗なのにもったいないよ。」

「もったいなきお言葉です。でも、私は闇に生きる者。だから……」

「じゃあ、私が大きくなったら、その顔もう一度みせてね。お姉さん。」

「……はい。」

「あっ、そう言えば、お名前聞いてなかったね。お姉さん、名前は。」

「私ですか、私の名前は……」


「菊狐さん……。ハッ、また、夢か。

 最近、幼少期の記憶を見る機会が多いな。」

 朝、現在は6時頃である。冬から春にかけて変わる季節である。妖狐が、狐袖との戦いから

 数日が経っている。妖狐の記憶は少しずつであるが、取り戻しつつある。

「おはようございます。導狐さん、晴明様。」

「おう、おはようさん。ん、どうした妖狐、

 少し顔色が悪いぞ。……まさか、記憶の話か? 」

「そうです『暗隊』の菊狐さんのことを思い出して。」

「そうですか、『暗隊』ですか……。」

『忍狐暗殺部隊』とは、狐の里にある、暗殺を中心とした裏方の仕事をする、闇の仕事人である。

「……。何か嫌な予感がする。」

「お前の勘はよく当たりやすいからな。自分の身は自分で守れよ、妖狐。」

「はい。」

 今日は日曜日である。だが、この休みを機会に新たなる戦いが始まろうとは誰も思っていないのである、そう誰も思っていないので

 ある……。

「ふむ、今回は成功するのか――よ。」

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