第32尾.虚構能力(イマジナリー・アクト)

「おい、お前ら。今日は検査してもらう。」


「どうも、『act全国研究会』の会員、『数多 式』と申す者です。

私のact『閲観プロトコル・ザ深域・スナッチ』であなた達のactを見させて頂きます。」


『アッ、ハイ』と六人は声を揃えて言い、

強制的に数多のact診断を受ける事になった。


その日の夜。


「有栖川妖狐、この魂……。なるほど、これが妖狐の魂。」


翌日、


「……。あれ、私のactが奪われている。」


『何だって!』と、五人は声を揃えて言った。


「妖狐のactが使えないと言うと全国はどうなっちゃうんだよ!」


「って、ことは私の持っている『あの刀』は……。」


そう言って、妖狐は二振の刀を持とうとするが、


「ダメ、『血漆』と『鏡花水月』が言うことを聞かない……。」


「言うことを聞かないって、どういうことだ。妖狐。」


「前に話したけど、私の刀には『セーフティ

ロック』が掛かっているの。」


「そう言えば、結構前に話したな。」


「お早うございます。」


「妖狐以外は、裏メニューをしていてくれ。」


『了解』と五人は言って、いつもの如く鍛練をする。


「こっちへ来い、妖狐。」


と、妖狐、稲瀬、数多の三人は別の所へ移動

した。


「さて、悪いですが、妖狐さんあなたのactをこの『チップ』に変換させて頂きました。」


「……やっぱり、あんたか。私のactを奪ったのは!」


「落ち着け、妖狐。話を最後まで……。」


「私は貴様をぶち殺す! actが無くても、

私は、ッ!」


妖狐は、ドックンと言う音と共に意識を

失った……。


「式さん、これは?」


「これは、妖狐さんの新しいactの予兆ですね……。」


妖狐の意識は真っ白な何も無い部屋へ


「ここは、『空白の部屋』……。まさか、私『後天性』のactを!」


「妖狐、まさかお前が来るとは……。」


「その声は、師匠!」


「あぁ、その通りだ。でも時間が無いから、actだけ渡しておくよ。」


「し、師匠、師匠!」


そう言った妖狐は現実世界へ戻される。


「……。ここは、数多さん。」


「やぁ、調子はどうかね?」


「……ハッ! actを返せェ!」


「妖狐、最後まで話を聞け!」


そう言って、妖狐を止める稲瀬。


「放してください、イナホさん!」


「そうです。よく、聞いてください、

妖狐さん。」


「まず、お前は『あの力』に頼り過ぎだ。」


「そうです。まず、あなたのact『鏡夢なる

九尾狐』を抜かせて頂き、私のactでチップ化させて頂きました。」


「で、そのチップをこの刀に埋め込ませた。」


そう言って稲瀬は近未来的な刀を妖狐に

見せた。


「話はそれだけですか。私の怒りは

まだ……。」


「だ・か・ら、最後まで話を聞け!」


「私のactであなたの魂を見た時、魂があった。」


「ッ?!」


「そう、つまりはお前のactは二つあったんだ。そして、その妖怪としての力は

『初代様』の力だ。」


「そして、その他力が暴走しないように、稲瀬さんのこの刀に移し換えた。」


「……。先生、私のactが入った刀をください。」


「よし、いいだろう。ほい、お前の新しい刀だ。名前は、『虚刀・有栖川』だ。」


「ありがとうございます。って何ですかこの

ダイヤル、何かAIまで搭載されてる……。」


「では、この刀『有栖川』の説明をします。

このダイヤルを回すと九つのチャンネルに

分かれています。これであなたは設定した

チャンネルのactを使えます。このことを

虚構イマジナリー能力・アクトと言います。

そして、あなたは人としてのactを獲得していますが、どんな能力内容か、分かりません。

なのでしばらくこの刀で我慢して下さい。

あっ後、稲瀬さん発現したら教えて下さいね。」


「分かりました。」


謎が深まるこの話、三つの謎が残る。

一つ、妖狐の師匠がactマンだと言うこと。

二つ、妖狐の発現した人としてのact内容。

三つ、近未来的な刀、『虚刀・有栖川』の

  実戦使用方法。


続きが気になる待て次回。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る