第23尾.虚しい勝利と楽しい負け

「さて、次は俺か」

 そう言って、龍成は壇上へと上がった


 さて、そんな龍成の相手は、「色欲の罪」、「アスモス・ナデウス」である。

「あら、僕ちゃん、君が相手なの? お姉さん手加減できないからね。」 


「おっと、俺を甘く見ない方がいいぜ。俺は様々な龍の力を使える。堕天使だか、何だか知らんが、俺の大切な仲間や街を傷付けるのは、

 龍の力によって捻り潰す!」


「あら、言ってくれるじゃない。私も本気で行こうかしら」


 そしてベルが、

「次、第三戦『神鳴龍成じんめいたつなり』対『アスモス・ナデウス』。始め」


「さぁ、私の魅力に酔いしれなさい! 『誘惑(チャーム)』!」


「悪いが、龍は何者にもとらわれない生き物だから、あんたのactは効かない」


「なら、体術でっ!」


「そして、その動きは妖狐に叩き込まれているから、通用しない」


 そう言った龍成は、次々出る拳や、蹴りをかわした。


「……あんたの技は、見飽きた。今度は俺の番だ。いくぞ、『桐生剣術1の型「蛟龍こうりゅう」』」


 龍成は刀を逆手で持ちかけて、回転しながら、攻撃し、アスモスを打ち破った。


「お前は、actを過信しすぎた」


 †


 休みなく次の試合へと続く、密狸と鵺が壇上へと上がった


「さて、行くか密狸」


「そうですね、鵺ちゃん」


 そんな二人に対するのは、『憤怒の罪』『サンタ・アモデウス』『嫉妬の罪』『レヴィ・スミアタン』


「次、第四戦、『墨田密狸』&『稗田鵺』対『サンタ・アモデウス』&『レヴィ・スミアタン』始め」ベルのその言葉を合図に、試合は

 始まる。


「さて、悪いがこのまま勝たせてもらうよ」


「悪いが娘よ、そう簡単に負けるわけにはいかないからな」 


「私のactを見せてあげますよ」


「さぁ、見せておくれその力、私はその力をものにしてみせる」


「では、行きます。『自然数』、私のact『数奇な狸(ヌメロニアスラクーン)』は、理数系に関する力を持つ」


「へぇ、ならその力を、って操れない」


「それは、『自然数』は『自然の力』を持っているから、『自然の力』は真似出来ない。そして『虚数』です。あなたのactが無効にします。」


「なんだよ、これ私の力が使えない。何故だー!」


「これで終わりです。『微分』では、おやすみなさい」


「さて、鵺ちゃんの応援に……。

 鵺ちゃん!」


「密狸、あいつに挑むな、やつは……」


「もうやめて、鵺。喋っちゃだめ。そこでやすんで」


「ハッハッハッ、どうした娘。ん、次はお前か、豆狸か」


「私は豆狸では、ありません!立派な化け狸です! 『黄金比:長方形』」


「甘い、温い、浅い!お前は弱い弱過ぎる」


 サンタの姿はまさに龍の姿をした、悪魔であった。密狸に対し、加減なく攻撃をする。

 密狸はその攻撃に対し、為す術もなく、やられる。

 それを見ている全員はこう思った。


(酷い、こんな虚しい勝利があるのか)


 サンタは楽しんでいる。殺戮の限りを、だが、密狸は、

「あなたはもう、負けています。こんなの、虚しいだけ、だと、昔じぃ様が言っていた。『敗北はいいことがある。学ぶことが、多いからの。』ってね」


「野郎ー!」


 ボロボロになった二人に攻撃をしようとした時、意外な人物が止めに入った。


「やめろ、サンタ、お前はここで、殺そうとした。お前は、ここで、禁忌を犯した。だから、お前を裁く」


 ベルが止めに入った、ベルがサンタに対して転移の術を施しサンタを移動させた。


「大丈夫、三人共、サンタか悪いことをした。ごめんなさい」


 と、ベルが謝り、


「さて、アリス、戦おうか」


「そうね、ベル、次の試合、最後のやつやろうか」


 さて、最後の試合は、どちらに勝利の女神が輝くのか?

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