12話 粒子ドライバー・トロン Cパート
青に
すこし遅れて、ゲミオンが光となって散った。
生身を
ツバキの手を取り、ジュンヤが立ち上がる。
顔をゆがめるエイスケとは対照的に、ジュンヤは笑顔。
アキラがジュンヤに近づいて、さわやかに微笑む。
「シグスチップをもう一つ使うことには、ならなかったか」
「アキラ? 冗談だよね?」
「エイスケがチップを使用するなら、切り札として使うつもりだった。トロン
口をとがらせた少年。つぎに、
「それを言ってくれたら、トロンのベルトを壊さなくてすんだのに」
「切り札があるという慢心は、思わぬところで足元をすくわれかねない」
ジュンヤは何も言わなかった。
「なるほど。完敗だな。やっぱ、お前は……」
エイスケは、言葉を最後まで言わなかった。気を失う。すべてが終わったことを、壁に体重を預けたサブロウが把握した。
心配したフワから電話がかかってくる。途中で、みんなにも聞こえるように音量を上げた。
「ドライバーライトキックで決着だ」
『おにいちゃんは、もうちょっと、センスをどうにかしたほうがいいよね』
大音量で、データに変換された声が響いた。ジュンヤが笑い声をあげる。
通話が終わり、アキラが壊れたギアを両手に持った。赤と白。
「これは取り戻した。あとは、おれの仕事じゃない」
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